インド諸言語から英語への翻訳に特化し、インドの多言語の伝統を味わうことを目的とした、年2回刊行の文芸誌「Hyphen」が創刊された。
Vivek Shanbhag on ‘Hyphen’, and bridging the gap in India’s translation landscape
「Hyphen」は、小説家で劇作家のヴィヴェーク・シャーンバーグ(Vivek Shanbhag)氏が、その構想を20年近く育ててきた。
「マラヤーラム語やロシア語からの翻訳文学を読んで育った。しかし、インド人は国外の作家の作品には非常に多く触れる機会がある一方、自分の隣の州の作家については、ほとんど触れる機会がないと、ずっと感じてきた。ほかのインド諸言語で書く作家たちの作品を読みたいという、この思いがHyphenにつながった」とシャーンバーグ氏は話す。
2022年にはギーターンジャリ・シュリー(Geetanjali Shree)氏とデイジー・ロックウェル(Daisy Rockwell)氏による『Tomb of Sand』、2025年にはバーヌ・ムシュタク(Banu Mushtaq)氏とディーパ・バスティ(Deepa Bhasthi)氏による『Heart Lamp』が国際ブッカー賞を受賞し、インド文学に世界的な注目が集まる中、インドの翻訳を取り巻く環境の空白を埋めるHyphenのような試みにとって、今はまさに好機であると見る。
Hyphenでは、ディーパ・ガネーシュ(Deepa Ganesh)氏を編集長に迎え、英語の文芸誌を紙版とデジタル版で発行するほか、出版部門を設け、さらに翻訳に関する資料、選書されたオンライン書店、フェローシップやメンター制度、セミナー、読書会、出版社向けフォーラムなどを提供するオンライン空間を展開する。
著名な作家、翻訳家、文学関係者らは諮問委員会に名を連ねる。
「Hyphen」という名称は、「自らを『Indo-American』の中のハイフンだと表現した」著名な学者で翻訳家のAKラーマーヌジャン(AK Ramanujan)氏の言葉から取ったものだと、シャーンバーグ氏は話す。
毎号ひとつの文学的伝統に焦点を当て、その言語に読者がしっかりと触れられるようにする。
最初に取り上げるのはマラーティー語だ。
「マラーティー語には、実験的な試みに積極的な優れた作家がいる。この地域の舞台芸術や社会運動も、文学がどのように受け止められるかに影響を与えてきた。マラーティー語の作家、批評家、劇作家たちが何を考えているのか、その一端を伝えることを目指している」
Hyphenで唯一の焦点としているテーマが翻訳であり、シャーンバーグ氏も、それに伴う難しさを認識している。
インド全土を対象とする翻訳の取り組みを構築するというHyphenの長期的な構想には、新進の翻訳者を対象とするワークショップ、メンター制度、フェローシップも含まれる。
「この20~25年で、翻訳の質には大きな変化が生じている。その主な理由は、英語を教育言語とする教育だ。多くの若者にとって英語が第一言語となっているが、自分の母語と再びつながる手段として、その言語の作品を読んだり、翻訳に取り組んだりすることにも関心を持っている」と語る。
Hyphenは1冊799ルピーで、年2冊の年間購読料は1,299ルピー。
詳細はHyphenのウェブサイトに掲載されている。

ASKSiddhiは、Noteでも記事をアップしています。
今後メンバーシップを利用した企画なども考えていますので、
よろしければフォローしてみてください。