ウィリアム王子の「インド系ルーツ」発見から13年、その後どう評価されているのか
Posted on 15 Jun 2026 21:00 in アーカイブ特集 by Yoko Deshmukh
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2013年、世界のメディアで大きな話題となった「ウィリアム王子にインド系の祖先がいた」というニュースをおぼえているだろうか。
当時、ASKSiddhiでも「ウィリアム王子にインド人の遺伝子か」と題して紹介した。
ウィリアム王子にインド人の遺伝子か(2013年06月17日)
その後、この話題はどう評価されているのだろうか。
結論から言えば、「ウィリアム王子の母方の家系にインド系の祖先がいた」という発見そのものは、現在でも広く受け入れられているようだ。
2013年、英国の研究者らは、故ダイアナ元妃の母系子孫のDNAを分析した結果、母方の遠い祖先にあたるエリザ・キワーク(Eliza Kewark)という女性が、インド系のルーツを持っていた可能性が極めて高いと発表した。
エリザ・キワークは18世紀末から19世紀初頭にかけて、現在のグジャーラート州スーラトで活動していたスコットランド人商人セオドア・フォーブス(Theodore Forbes)との間に娘をもうけたとされる人物である。
この娘の子孫をたどると、ダイアナ元妃、そしてウィリアム王子とハリー王子につながる。
当時の研究では、母系のみを受け継ぐミトコンドリアDNA(mtDNA)を分析した結果、エリザ・キワークの母系DNAが南アジア由来の系統に属していることが示された。
そのため、「ウィリアム王子の母系祖先にインド系女性が存在した」という点については、現在でも有力な説として受け止められている。
一方で、2013年当時の報道には、やや誇張された表現も見られた。
特に、「ウィリアム王子は英国王室で唯一の非欧州系DNA保持者である」といった説明は、現在の視点から見ると正確とは言い難い。
英国王室の全系譜や全メンバーのDNAが網羅的に調査されているわけではなく、歴史上の王室にはさまざまな地域に由来する血統が存在した可能性も指摘されているためである。
また、「インド人の血が流れている」という表現も、新聞記事としては分かりやすいものの、科学的にはやや単純化された説明である。
今回確認されたのは母系をたどるミトコンドリアDNAであり、これは世代を超えて受け継がれる特殊な遺伝情報である。
エリザ・キワークはウィリアム王子から見れば約6~7世代前の祖先にあたるため、DNA全体に占める割合は極めて小さいと考えられている。
それでも、この発見が大きな注目を集めた理由は、世界で最も知られた王室のひとつである英国王室の家系が、かつての大英帝国の歴史やインドとのつながりを今なお物語っていたからであろう。
なお、このニュースが報じられたのは2013年6月。
ウィリアム王子夫妻が第1子ジョージ王子の誕生を控えていた時期でもあり、「未来の英国国王にインド系のルーツ」という見出しは世界中で大きく取り上げられた。
13年が経過した現在でも、この話題は英国とインドの歴史的な結び付きを象徴する興味深いエピソードとして語り継がれている。
[1]: "DNA test reveals Prince William's Indian ancestry"
[2]: "Why Royal DNA is Front-Page News Again - History Matters"
[3]: "Scientist: Prince William's fifth great-grandmother was Indian"
[4]: "William, Prince of Wales"
[5]: "Prince Harry, Duke of Sussex"

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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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