マリーナ・ビーチに現れる「生きたガーンディー像」
Posted on 03 Aug 2026 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
生きていくとはどういうことなのか、改めて考え込んでいます。
チェンナイを訪れたことがある人であれば一度はぶらぶらしたであろう、広大なマリーナ・ビーチ(Marina Beach)を見渡す場所には、建国の父マハートマー・ガーンディー(Mahatma Gandhi)の像が建っていることはよく知られている。
その「本家」ガーンディー像からそれほど離れていない場所に、「生きた」ガーンディー像が出没するという情報を、「The Hindu」が伝えていた。
This Gandhi accepts GPay: Meet Marina Beach’s living Mahatma
その正体とは、68歳のネヘミア・コチェ(Nehemia Koche)さんだ。
最近では、週末の夕方になると必ずと言ってよいほどビーチに姿を見せ、ガーンディーに「なりきって」いる。
約30分かけて全身に銀色のボディーペイントを施し、毎週末、マリーナ・ビーチにやって来て立ち続ける。
ほとんどの時間、彫像のように身動き一つしないが、時折脚を伸ばしたり、興味深そうに見つめる通行人に敬礼したりする。
「人々はガーンディー・ジーのことを忘れてしまった。これは国父のことを思い出してもらうための、私なりの方法なのだ」
数時間にわたって立ち続けた後、疲れを癒やすように歩きながら、ネヘミアさんは語る。
この間に、ストリート・アーティストであるネヘミアさんが稼いだ金額は約600ルピーだった。
ネヘミアさんは通常、公共事業局(Public Works Department)の建物の向かい側に立っている。
「子どもたちは私をとても気に入ってくれて、たいていは大喜びで写真を撮る。時には、本物かどうか確かめようとして、私に触りたがる子どももいる」
一方、大人たちの反応は、より落ち着いたものだ。
「握手だけして立ち去る人もいれば、自撮りをしたがる人もいる。私が置いている箱に、お金を入れてくれる人も少しいる。食べ物をくれることもある」
興味深いことに、デジタル決済が普及した現代に合わせ、ネヘミアさんのズボンにはQRコードも取り付けられている。
ネヘミアさんの長年にわたる「生きたガーンディー像」パフォーマンスは、自身の生計のためでもある。
テーランガーナー州の小さな村出身のネヘミアさんは、子どものころから、路上演劇や芝居に興味があった。
村で何かの催しがあるたびに、関係する偶像に扮して祝祭に参加してきた。
いわゆるコスプレだ。
「寺院の祭りでは、ラーマ神に扮したこともある。特にサンクランティ*やウガディ*の時期には習慣のようなものだった」
やがて、この演技によって、お金や食べ物、寝泊まりする場所も得られるようになった。
「インド各地の有名な観光地を広く旅してきた。特に、ムンバイーやヴィシャーカーパトナム(Vishakapatnam)、そしてマドラスのマリーナ・ビーチは、そこに集う人々が親切で、最も好きな場所にもなっている。警察官も敬意を持って扱ってくれ、食べ物の入った包みをくれることもある」とネヘミアさんは語る。
*サンクランティ: インド各地で地域ごとの名称や習慣によって祝われる、例年1月中旬の収穫祭。太陽の北進が始まる時期ともされる。
*ウガディ: テーランガーナー州やアーンドラ・プラデーシュ州などのテルグ語圏で、新年の始まりを祝う祭り。例年3~4月ごろに行われる。

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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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