偶然の出会いから生まれた「Anju’s Cafe」、創業20周年

 

Posted on 06 Jun 2026 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

バンガロールを訪れたら、試してみたいな。



バンガロールでマハーラーシュトリアン料理を提供し続けるユニークな店があることを、「The Hindu」の記事で知った。

Sabudana vada and stagecraft: Anju’s Cafe in Ranga Shankara turns 20

偶然の出会いが、アンジュ・スダルシャン(Anju Sudharshan)さんと、演劇施設「ランガ・シャンカラ(Ranga Shankara)」創設者であるアルンダティ・ナーグ(Arundhati Nag)さんとの間に生まれ、やがて「Anju’s Cafe」の誕生につながった。

「共通の友人の家で出会ったのです。アルンダティが玄関から出ていくところで、私は入っていくところでした。その後、彼女から電話があり、『この場所を使ってカフェを始めてみない?』と声をかけてくれました」とアンジュさんは振り返る。
当時の彼女は、自宅のキッチンで友人や家族のために料理を作っていた。

今年、このカフェは創業20周年を迎える。

午後の店内には、演劇関係者、ふらりと立ち寄った来訪者、そして初めて観劇に訪れた人々が入り混じる光景が見られる。
サブダナ・ワダ(sabudana vada)*、アッキ・ロティ(akki roti)*、そして毎年オーナム(Onam)*の時期に提供されるサディヤ(Sadya)*でも親しまれている。
「Anju’s Cafe」は今やバンガロールの演劇コミュニティーにとって欠かせない場所となっている。

アンジュさんはムンバイーで生まれ育ち、1987年にベンガルールへ移住した。

2006年6月、アンジュさんはその提案を受け入れ、劇場内にカフェを開業した。

当初のメニューには、パラータ(paratha)、アッキ・ロティ、パスタ、サンドイッチ、そしてフレッシュジュースが並んだ。

「この場所には特別な魅力を感じましたし、不思議な縁も感じました。飲食業界の人たちからは『こんな何でもありのメニューでは成功しない』と言われました。アッキ・ロティのような伝統料理については、『作るのに20分もかかるのだから無理だ』とも言われました」

雑穀を使ったミレット・キチュディ(millet khichdi)*、キーマ・パオ(kheema pav)*やチキン・サラミ・サンドイッチもよく注文されるメニューである。

物価上昇が続く現在でも、ワダが60ルピーという価格設定であることから、この店は多くの人にとって利用しやすい存在となっている。

アルンダティさんは語る。

「劇場を開設した当初、カフェ運営にはさまざまな人が関わりましたが、なかなかうまくいきませんでした。ところがアンジュさんが来た途端、すべてが自然にかみ合ったのです。20年という年月は長いものです。彼女は今やこの施設そのものの一部になっています。本当に特別な人です」

バンガロールを拠点とする俳優・演出家のヴィナイ・シャーストリー(Vinay Shastry)さんは、18年近くランガ・シャンカラに通い続けている。

「このカフェは文化と演劇の結び付きをそのまま表現しており、この雰囲気が大好きです」とヴィナイさんは語る。お気に入りはジャルジーラ(jal jeera)*****と、もちろんサブダナ・ワダだ。

大手チェーン系カフェや、SNS映えを意識して設計された空間があふれる時代にあっても、「Anju’s Cafe」は流行に流されることなく独自の個性を保ち続けている。

「飲食業界の出身ではなかったことが、むしろ私には有利に働きました。売上計算ばかりにとらわれず、ただ人々に食事を提供したいという気持ちでやってきました。私にとってこのカフェは、自宅のダイニングルームの延長なのです」とアンジュさんは語る。

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*サブダナ・ワダ(sabudana vada): タピオカ由来のデンプンを使ったマハーラーシュトラ州の伝統的な揚げ物。
*アッキ・ロティ(akki roti): 米粉を主原料とするカルナータカ州の伝統的な薄焼きパン。
*オーナム(Onam): ケーララ州で祝われる最大級の収穫祭。
*サディヤ(Sadya): オーナムなどの祝祭時に供されるケーララ州の伝統的な祝宴料理。
*ジャルジーラ(jal jeera): クミンやミント、各種スパイスを加えたインドの清涼飲料。
*ミレット・キチュディ(millet khichdi): 雑穀(ミレット)と豆、野菜などを一緒に炊き込んだインドの家庭料理。
*キーマ・パオ(kheema pav): スパイスで炒めたひき肉(キーマ)を、柔らかいパン(パオ)とともに食べるインドの人気料理。
 

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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