テーランガーナー州では、この数週間だけでも多くの地点で気温が40度台後半を記録、極度の暑さの中、特に長時間屋外労働を続ける人々の間で、疲労感、めまい、体調不良といった症状が急増している。
A heat crisis in Telangana that burns beyond the thermometer
特に北部および東部地域で厳しい暑さが続いている。
インド気象局(India Meteorological Department、IMD)の警報や政府の注意喚起の背後では、建設現場や農地、市場、交通交差点、過密な都市部などで、仕事を止めることのできない人々を中心に、公衆衛生上の深刻な危機が進行している。
午後のハイダラーバードでは、熱気は空からだけでなく道路からも立ち上る。
旧市街では観光客や買い物客、露天商、通勤者らが炎天下の路地を行き交っている。
露天商の多くは毎日8~10時間を屋外で過ごす。
午後になると、めまいや頭痛、疲労感は日常的なものとなる。
暑さで客足は減るが、早く店を閉める余裕はない。
テーランガーナー州各地の道路、市場、建設現場では、露天商、配達員、清掃作業員、交通警察官、日雇い労働者らにとって、夏は単なる不快な季節ではなく、生き抜くための試練となっている。
州政府内では、熱中症による死亡疑い事例の増加に対する懸念が高まっている。
歳入・災害管理局(Revenue (Disaster Management) Department)によると、今夏これまでに19件の熱中症死亡疑い事例が報告されているが、そのうち医学的に熱中症死と確認されたのは1件のみである。
一方、州内各地区の保健当局(District Medical and Health Officers)から集められたデータによれば、州全体では少なくとも48件の熱関連死亡疑い事例が報告されているが、多くは現在も医学的・法医学的調査中となっていることから、実際の熱関連死亡事例はさらに多い可能性がある。
問題を複雑にしているのは、州政府が熱中症による死亡と認定された場合、遺族に40万ルピーの弔慰金を支給すると発表したことである。
当局によれば、熱中症とは無関係な持病などによる死亡についても申請が行われており、慎重な審査が必要になっている。
インド政府の「気候変動と健康に関する国家プログラム(National Programme on Climate Change and Human Health)」のガイドラインによれば、単に暑い日に死亡しただけでは熱中症死とは認定されない。
認定には以下の条件が必要である。
* 生前の深部体温が40.5度以上であること
* 意識障害が確認されていること
* 他に明確な死因が存在しないこと
* 直射日光下での作業や激しい身体活動など、暑熱暴露の状況が確認できること
しかし実際には、患者が病院へ搬送される前に周囲の人々が水や氷で身体を冷却することが多く、その結果、診断時の体温が低下してしまい、熱中症との因果関係の立証が難しくなるケースも少なくない。
さらに、医師、警察の副署長(Sub-Inspector)、およびタシルダール(郡行政官)の3者による確認手続きも必要となる。
こうした状況の中、テランガーナ州政府は今月、「熱波対策行動計画(Telangana State Heatwave Action Plan 2026)」を公表した。
報告書では熱波を「静かだが致命的な危険」であり、州が直面する最も深刻な気候関連公衆衛生リスクの一つと位置づけている。
州内612のマンダル(郡区)※のうち、比較的安全と評価されたのはわずか24地域のみであった。
残る588地域は何らかの熱波リスクにさらされており、
* 深刻(severe)リスク: 6地域
* 重大(critical)リスク: 106地域
* 準重大(semi-critical)リスク: 189地域
に分類されている。
推計では約1,600万人がこれらの高リスク地域に居住している。
州都ハイダラーバードもまた、急速な都市化に伴う「都市ヒートアイランド現象」によって重要な熱ストレス地域となっている。
前述の行動計画では、建設業、農業、清掃、運輸分野の屋外労働者を最も脆弱な集団として挙げ、また州内に展開する「アンガンワディセンター(Anganwadi Centre)」※31,897か所、「ミニ・アンガンワディセンター」4,076か所では、熱波による栄養支援や母子保健サービスへの影響も懸念されている。
※マンダル(Mandal):インドの行政区画の一つで、日本の「郡」や「町村行政区」に近い単位。
※アンガンワディセンター(Anganwadi Centre):インド政府が運営する母子保健・栄養支援施設。乳幼児や妊婦への栄養補給、保健指導、就学前教育などを提供する。

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