カルナータカ州、アルコール含有量ベース課税を導入: ビール値下げの可能性も
Posted on 27 May 2026 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
T爺の横暴すらなければ、パブ文化がますます盛り上がったかもしれないのにね。
カルナータカ州で、「飲料中アルコール量(Alcohol in Beverage、AIB)」に基づく税金が課されることになった。
Karnataka revises liquor prices. What does it mean and why your beer might get cheaper
この制度では、すべての蒸留酒カテゴリーにおいて、アルコール度数の高い酒類ほど価格が上昇する。
カルナータカ州は、アルコール含有量を基準に課税を行うインド初の州となった。
新制度導入の背景には、アルコール消費による社会的コストへの懸念がある。
家庭内暴力や健康被害などを踏まえ、政府は市民に対してアルコール度数の低い飲料を選択するよう促そうとしている。
インド醸造協会(Brewers Association of India)事務局長のVinod Giri氏は次のように説明する。
「制度は、政府が『Alcohol-in-Beverage課税』と呼ぶ原則に基づいている。アルコール飲料はすべてアルコールと水から構成されており、水分量は製品によって異なる。価格や容量に基づいて課税すると、実質的にはアルコールだけでなく、水にも税を課していることになる。世界的な基準では、課税対象は水ではなくアルコールそのものである。WHO(世界保健機関)は『害に比例した課税(harm proportionate)』を推奨している。つまり、アルコール度数が高いほど税率も高くすべきだという考え方である。これを踏まえ、カルナータカ州政府は、製品中のアルコール量に基づいて課税することを決定した。物品税は、飲料に含まれるアルコール量(ミリリットル)に連動する」
ハイネケン(Heineken)傘下のユナイテッド・ブルワリーズ(United Breweries Limited、UBL)は声明で、「Kingfisher Premium、Kingfisher Ultra、Heinekenなどの人気ブランドが、州内の消費者にとってより手頃な価格になる。たとえば、650mlのKingfisher Ultraは、従来225ルピーだった価格が150ルピーへ引き下げられる。Heineken OriginalおよびHeineken Silverも、270ルピーから200ルピーへ値下げされる」と述べた。
ただし、すべての酒類が安くなるわけではなく、アルコール度数の高い蒸留酒は値上がりしている。
例えば、「Old Monk Very Old Vatted Special XXX Rum」750mlは、従来765ルピーだったが、850ルピーへ上昇した。
MGロード沿いの酒販店「Tonique」では、すでに新価格が適用されている。
旧価格が印刷された在庫商品であっても、消費者には新価格で請求されるという。
一部のバーやレストランでも、一部の酒類メニューの価格引き下げが期待できる。
ただし、酒類価格が下がった一方で、LPGや燃料価格が大幅に上昇しており、飲食業界全体の収益性を圧迫していることから、値下げ効果は限定的になるとの見方もある。
バンガロールで人気のクラフトビール業界への影響は、どうだろうか。
「Mannheim Craft Brewery」共同創業者のShankar Subramaniam氏は、次のように説明する。
「新しいAIB物品税制度は、主に瓶・缶ビールや蒸留酒向けの制度であり、生ビール(draught beer)には適用されない。価格を下げるかどうかは各店舗の判断による。高級タップルームやバーでは、蒸留酒の売上比率は20〜25%程度で、残りは自家醸造ビールとフードである。食品コストは大きく上昇しており、LPG価格の高騰も経営に悪影響を与えている。さらに、クラフトビール製造に必要な輸入モルト価格も、為替コスト上昇により高騰している。われわれのような店は固定費も高く、蒸留酒価格をすぐに変更できるとは考えていない。ただ、新制度なので、コスト構造を見ながら慎重に判断していく」
最後に冒頭のGiri氏は、この政策を高く評価している。
「このような制度変更には、政府として大きな勇気が必要である。インドではアルコール課税は非常に敏感な問題であり、社会文化的理由だけでなく、州財政が酒税収入に大きく依存しているためでもある。州政府は通常、税制実験に慎重だ。それにもかかわらず、大規模な制度改革に踏み切ったのは強い信念の表れである。これは世界的に一般的なアルコール課税方式であり、国際的な原則を採用したことは高く評価されるべきだ」

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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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