プネーで出社3日目、少しずつつかむリズム

 

Posted on 07 Apr 2026 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

チームメンバーも、人事部の方も、やさしい方ばかりで、ほっぺたをつねってしまうほど信じられない思いです。



出社も、初日のオリエンテーションから数えて3回目となった。
自宅からマガルパッタ・シティ(Magarpatta City)までの朝の交通渋滞をどうナビゲートするか、そのコツも少しずつ分かり始めている。

4月初旬。
先週は、酷暑期入り口ならではの雷を伴う激しい夕立ちが続いていたが、ここへ来て再び暑さが勢いを取り戻しつつある。

朝一番にフリーランス業務の納品を終え、「人類が史上最も地球から遠いところに到達」とのニュースを横目に、無意味に威張り散らしているT爺こそ真っ先に片道で火星にでも送り込めよと悪態をつきつつ日課の散歩はあきらめ、団地内のコミュニティーキャッツにフードと水を与えてから家を出るころには、すでにうっすらと汗をかいている。

さすがインド財閥系の大手グループ企業だけあって、顧客が日本企業であっても、実際の窓口はデリーに駐在する日本人が担っているという。
また、プロジェクトはグループ企業間で回されることも多く、そのスケール感と柔軟さには改めて圧倒される。

自分が所属しているのは、インド最大級の某財閥系Tグループの系列会社。
海外顧客向けの案件はもちろん、グループ傘下のTモーターズ向けに、EVを含む車載システムを開発する部門もあるという。

企業内にいながら、複数の産業や国境をまたぐ動きが同時に存在しているのが、この環境の特徴だ。

そして本日は、人事部の女性から、わたしのような期間限定かつ外部の者にも月1日の有給休暇が与えられていること、そして今月10日から処理が始まり、月末に振り込まれる給与(報酬)計算の手続きについて、丁寧な説明があった。
プロフェッショナルな環境で、こんなに人に親切にしてもらったのがひさしぶり過ぎて、呆然としてしまう。

なお同社は勤務形態が非常に柔軟で、正社員である他のチームメンバーも週2日は在宅勤務を選べるようになっているそうだ。

この日のランチは、キャンパス内の隣接ビルG階に新しくできたフードコート風の全社共用キャンティーンに案内していただいた。

ここは広々として清潔感があり、メニューも豊富だ。
ターリーが150ルピーから、サウスインディアンやサンドイッチが100ルピーから、ハンバーガーやフィンガーフードが80ルピーからと、社内キャンティーンに比べるとやや割高ではある。

ただし、ノンベジ料理が充実している点は個人的にはありがたい。

毎週ランチをともにするメンバーが変わるのも新鮮で、ちょっとした社内交流の場にもなっている。
ランチタイムの会話では、パーソナルな領域に踏み込まれそうになった瞬間に、さっと話題を変える、またはその質問主に同じ質問を返すという、小さな技も覚えた。
文化や距離感の違いの中で、心地よいバランスを保つためのささやかな自己防衛でもある。

一方で、ここ数年、自分が続けてきた「ASKSiddhi」という活動について考える時間もあった。
収入にはならないこの活動を20年近く続けてきたことに、どんな意味があったのかと、自問することも少なくなかった。

しかし今、この環境に身を置いてみると、ランチやティータイムの雑談で、話題に困ることがまったくないという、思わぬ形で役に立っていることに気づく。
蓄積してきた知識や視点が、こうしたところで活きるとは。

週に一度の出社日は、ヒンディー語の聞き取り練習の時間にもなっている。

プネーのヒンディー語は、この会社のようにインド全土から人が集まっている環境では特に、英語が自然に混ざる。
そのため、自分にも内容が理解しやすい。

また、繰り返しになる他、日本や日本語にほとんど関心を持たないメンバーに囲まれていることも、「教科書通りの日本人として振る舞わなければならない」という、誰に強いられるでもない無言のプレッシャーを感じてしまうタイプのわたしにとって、ずいぶんと気が楽なのである。

まだ3回目の出社に過ぎないが、この週に一度の出社日は、単なる業務の時間ではなく、殻に閉じこもりがちのわたしにとって、呼吸の仕方を学び直す環境にもなっている。
 

ASKSiddhiは、Noteでも記事をアップしています。
今後メンバーシップを利用した企画なども考えていますので、
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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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