ホテイアオイを紙に再生: アッサム発、外来種と共存の試み
Posted on 01 Apr 2026 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
簡単なミッションではないけど、生き生きとしているよね。
環境への影響を最小限に抑えながら、侵襲外来種との共存を試みる取り組みについて、「The Hindu」で紹介されていた。
This Assam startup makes sustainable paper from water hyacinth
アッサム州の湖では、水路を塞ぎ、脆弱な生態系を破壊する外来植物として迷惑がられているホテイアオイ(water hyacinth)の蔓延に悩まされてきた。
そこで、ともにアッサム州を拠点に北東インドの生物多様性と脆弱な生息地を調査、記録、保護する活動を行うNGO団体「Help Earth」に所属する野生生物愛好家で、コンピューターサイエンスの学位を持つアニケット・ダール(Aniket Dhar)氏と、商学を専攻したルパンカル・バッタチャルジー(Rupankar Bhattacharjee)氏が、ホテイアオイを単なる廃棄物と見るのではなく、紙の原料とする「クンビ・カガズ(Kumbhi Kagaz)」(www.kumbhikagaz.com)を立ち上げ、大きな成功を収めている。
2人は2022年に手すきの紙を作り始め、まずは少量生産で試行錯誤を重ねた。
需要の高まりに伴い、生産規模を拡大するため機械生産へ移行した。
現在、同社の紙製品は見た目も手触りも一般的な上質紙と変わらないとの高い評価を得ている。
約200年前に観賞植物としてインドにもたらされたとされるホテイアオイは、今や侵略的外来種となり、生態系に深く根付いている。
過剰な繁殖を続けることで、日光を遮り、酸素を消費する。
しかも枯れると湖底に堆積し、沈泥を引き起こす。
これにより水深と貯水容量が減少し、産卵床が損傷し、水の透明度と酸素濃度が低下し、有毒藻類の異常発生を引き起こして、水生生態系全体が破壊される恐れがある。
渡り鳥が飛来し、魚類、爬虫類、両生類が生息する淡水湖は、生物多様性と地域住民の生活にとって非常に重要な役割を担う。
漁業を副収入源としている湖周辺の住民は、ホテイアオイの過剰繁殖により、漁を再開するためだけに、1万5000ルピーから2万ルピーもの費用を自腹で費やして清掃している。
その影響は漁業だけにとどまらず、景観を損なうことから観光業にも打撃を与えている。
アッサム州内の淡水湖で、ラムサール条約登録湿地でもあるディーポール・ビール(Deepor Beel)で長年研究を行ってきた爬虫両生類学者で、2人のメンターであるジャヤディティヤ・プルカヤスタ(Jayaditya Purkayastha)氏は、ホテイアオイの蔓延を障害ではなく機会と捉えるよう勧めた。
ディーポール・ビールも例外なく、ホテイアオイに覆われているためである。
これらを紙の原料として収穫することで、その蔓延を抑制するだけでなく、淡水湖を生活の糧とする地域社会を支えることを目指す。
「ホテイアオイを根絶したいわけではなく、あくまで繁殖を抑制する」と話す2人は、『アッサムから世界へ』というコンセプトを掲げ、「紅茶で有名なアッサムに、ホテイアオイを原料とする唯一無二の紙という新たな名声をもたらしたい」と志を語る。
1トンのホテイアオイから約100キログラムの乾燥繊維が得られ、そこから約80~90キログラムの無添加紙を製造できる。
収穫されたホテイアオイは約1週間天日干しする。
二酸化炭素排出量を抑えるため、意図的に機械乾燥を避けている。
この取り組みは全国的な注目を集め、ブバネシュワル、ハイダラーバード、マハーラーシュトラ州の一部地域から、このモデルを採用したいという問い合わせが来ているという。

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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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