ようやく雨が上がり、朝晩の空気が爽やかになってきた。
窓を開けて早朝の空気の匂いをかぐと、かすかに冬を感じる。
少しだけ元気が戻った気がして、ひさしぶりに散歩へ出かけた。
通い慣れた道の角を曲がると、思いがけず新しい店が目に入った。
ドアや窓による外界との仕切りのない半屋外タイプのカフェで、開放感あふれる店内となっている。
ブラウンを基調としたアンティーク調の家具が並び、どこか老舗ホテルのロビーを思わせる雰囲気だ。
フローラル系の強めのお香が漂い、体と心がほぐれるようだ。

16:8の断食を続けているため朝食は取らず、無糖のフィルターコーヒーだけを頼んだ。
熱々のミルクコーヒーは、ガツンとしたカフェインキックとともに、胃の奥まで染み渡るようだ。
隣でシッダールタはイドゥリ・サンバルを注文。
生地の柔らかさ、サンバルの塩気のバランス、ともに満足げだった。


思いがけず見つけたこの場所は、疲れ切ったわたしにとって、小さな休息をくれるオアシスのようだった。