花椒と醤油? 異国で育ったタミルの味

 

Posted on 05 Jun 2025 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

タミル料理はこれほどに奥深いのだな。



シンガポール生まれシンガポール育ちのタミル人シェフ、デヴァギ・サンムガム(Devagi Sanmugam)さんが、唯一無二のタミル料理を提供している、という話題を見つけた。

Feathers hotel celebrates the Tamil flavours that unite Singapore, Malaysia and Chennai

シンガポールとマレーシアで親しまれている、海を渡ったタミル料理を伝えるフードフェスティバル「アヤラガム(Ayalagam)」のキュレーターとしてチェンナイを訪れているデヴァギさんの創作料理を、「The Hindu」が詳しく紹介している。
デヴァギさんは、自身の料理を通じ、伝統と革新を融合させている。

サンムガムさんの物語は、タミル・ナードゥ州マヤヴァラム(Mayavaran)からシンガポールに移住し、タミル語の新聞社で働いていた父チャンドラカサン(Chandrakasan)氏から始まる。

「シンガポールには、中国系、マレー系、インド系、その他4つの主要な民族がおり、それぞれのスパイスの使い方が融合して現地の料理を形作っています。この影響はタミル料理にも現れており、(タミル・ナードゥ州の料理と異なり)羊肉や魚を使った料理に醤油を使い、辛さを増すために花椒を加えます。」

「ワダ生地をワッフルメーカーで焼いて『ワダ・ワッフル』を作ったり、テンガパル・サダム(thengapal sadham)をケーキ状に成形し、カルヴァドゥ・カリ(karuvadu kari)を添えたり、タミル料理のコアを損なうことなく、新たな解釈を加える実験を恐れず、伝統料理を独創的にアレンジする。」

一方、カルパシ(乾燥して脆く、暗い色の地衣類)は南インド特有のものだと指摘する。
「特にチェティナード料理でよく使われます。濃厚でスモーキーな風味を与え、他の食材でこの味を再現するのは難しいのです。」

もう1つの隠し味は、天日干しのスパイスと香辛料、玉ねぎをブレンドした伝統的な調味料、タリップ・ワダガム(thalippu vadagam)だ。
また、熱い油に投じると味を一瞬で変化させるマスタードシードの存在も欠かせない。

ココナッツミルクで味付けしたライスをバナナの葉で丁寧に包み、チキン・サンバル、甘酸っぱいチャツネ、ゴーヤの炒め物、フライドチキン、マトン・チュッカ(chukka)を添えた一品、「テンガ・サダム・ポッタラム(thenga sadham pottalam、ポッタラムとは『包み』を意味する)」も興味深い。

 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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