シンガポールの味で人生を再生: 人身売買被害女性たちを支えるカフェ

 

Posted on 19 May 2025 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

原文にはミッション系の活動の一環ではと見て取れる記述もありましたが、こちらも外に出てきたシンガポール人の珍しい例です。



コルカタというかインド初ではないかと思われる、シンガポール人による本格的なシンガポール料理店を紹介する記事を見つけた。

She runs Kolkata’s first Singaporean cafe, helping trafficked women and their children

カヤ・トースト(Kaya Toast)70ルピー、ラクサ(Laksa)250ルピー、コピ(Kopi)80ルピー。
コルカタ初のシンガポール料理店で提供されているメニューの一例である。
シンガポール出身のジョセフィン・タン(Josephine Tan)さんが経営する「iDelight Cafe」は、コルカタで初となるシンガポール料理専門のレストランで、昨年12月下旬にヒンドゥスタン・パーク(Hindustan Park)にオープンしたばかりである。
シンガポール・チキン・ライス(Hainanese chicken rice)、ミー・シャム(mee siam)、ロー・マイ・ガイ(lo mai gai)、オンデ・オンデ(ondeh ondeh)、パンダン・ケーキ(pandan cake)などを提供し、コピはシンガポール産の本場のコーヒーパウダーを使用している。

「本格的なシンガポール料理店を開店したことに感謝してくれる常連客がたくさんいます。まさかレストランを開店しただけでお礼を言われるなんて。シンガポール料理がとても恋しいと言ってくれる方もいらっしゃいます。あるお客様はNTU(Nanyang Technological University、南洋理工大学)ご出身で、在学中に撮ったコーヒーカップの写真が、当店のものとまったく同じだと感激されていました。」とタンさんは説明する。

店内のインテリアは、プラナカン・タイルを模したタイルを使ったり、シンガポールの街角にある壁画を再現したりと、カフェの装飾にもシンガポールらしさを取り入れている。
カフェの壁には、昔ながらのコピ・ソック(kopi sock)を振り回すコピティアムのおじさんの隣に、灯油ランプの灯る手押し車からポピア(popiah)を売る女性、つまりタンさんの祖母へのオマージュが描かれている。
「祖母は未亡人で、私が幼い頃はポピアを売っていました。私はよく祖母の三輪車の後をついて歩いていたものです。ラベンダー通り(Lavender Street)のコピティアムにも屋台を出していたので、家族全員が料理の準備に携わっていました。特に祖母のポピアはとてもおいしくて、『ポピア・ショウ(Popiah Shou)』という愛称で呼ばれていたほどです。」

タンさんはコルカタに来る以前の1996年にネパールに移住した。
シングルマザーの雇用創出を目指し、縫製業を含む5つの社会的事業を立ち上げ、2001年には「タッチ・ネイチャー(Touch Nature)」という石鹸製造事業も立ち上げた。

15年ほどネパールで暮らしたが、政情不安のためムンバイー出身の夫とともに2012年、インドに移住した。
その間、武装した暴徒が石鹸工場の門を襲撃するという事件にも遭遇した。

タンさんは、逃げ出して故郷に戻る代わりに、コルカタへの移住を選んだ。
「多くのネパール人女性がコルカタに人身売買されて来ています。そこで、『Touch Nature』を通じてそうした女性たちに雇用を提供することで支援しようと決めました。」と語る。
タンさんはネパール語とヒンディー語を流暢に話す。

新しいカフェやショップが立ち並ぶヒンドゥスタン・パークで、約1年かけて物件探しをした結果、タンさんらは築63年の2階建ての家を見つけ、それを改装して事業スペースにした。

当初の構想は、「Touch Nature」の手作り石鹸とキャンドルの小売店を開くことだったとタンさんは言う。
「しかし、店がかなり広かったので、1階の半分と2階の全フロアをカフェにしました。結果的に、2つの事業がお互いにメリットを生んでいることがわかりました。騒がしいコルカタの中にあって、カフェでは静かに過ごしてもらえるよう、騒音を遮断する工夫をしたいと思っています。」

カフェを「iDelight」と名付け、「私が心から愛する料理を提供しています。メニューの開発にはシンガポール人やマレーシア人が来て協力してくれています。」と説明する。

40席以上あるこのカフェでは8名のスタッフが働いており、そのほとんどは地元コルカタ出身者が占める。
中にはセックスワーカーを母に持つ女性や、麻薬入りのお茶を飲まされてセックスワークと望まぬ結婚を強いられ、病に倒れた女性もおり、新たなスキル、訓練を通じて尊厳を保ち、生計を立てることを目指す。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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