絶滅寸前のカラカル、インドで復活の兆し?トラ保護区で20年ぶりの目撃情報

 

Posted on 09 Apr 2025 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

かわいらしい笑顔に見えるな。



インドでは滅多に目撃されない野生ネコ科動物のカラカル(caracal)が、ラジャスターン州のトラ保護区(Mukundra Hills Tiger Reserve)で20年ぶりに確認され、野生生物愛好家や自然保護活動家たちを大いに沸かせている、という話題を見つけた。

‘Lost’ for 20 Years, This Elusive Wild Cat Has Finally Reappeared in India’s Wildlife!

カラカルは、赤みがかった金色の滑らかな毛並みで知られる、中型の野生ネコ科動物で、斑点や縞模様がない一方、耳から聴覚を支える長く黒い房状の毛が生えているのが特徴。
空中の獲物を捕らえるため、最大1.8メートルの高さまで跳躍することができる。

主に夜行性の狩猟動物であるカラカルは、鳥類、げっ歯類、ウサギ、小型のレイヨウなど、多様な獲物を捕食する。
力強い後ろ脚は垂直跳躍を可能にし、飛行中の鳥をも捕獲する能力を備えており、「砂漠のオオヤマネコ」とも呼ばれている。

歴史的にはアフリカ、中東、中央アジア、インドに広く生息していた。
しかしインドでは、その生息数が著しく減少しており、推定では主にラジャスターン州とグジャーラート州に50頭未満しか残っていないとされている。
農業拡大、都市化、インフラ整備による生息地の破壊により、絶滅の危機に瀕している。
さらに、家畜を捕食したとして殺されたり、無秩序な狩猟や違法な野生生物取引などの被害に遭ったりすることも、カラカルの頭数減少に拍車をかけている。

インドで絶滅危惧種(critically endangered)に指定されており、保護活動が緊急に必要となっている。

今回のトラ保護区でカラカルが目撃されたことで、これまで確認されていなかった地域に生息している可能性がにわかに脚光を集めている。

保護活動家らは今後、同トラ保護区周辺でさらなる調査を行い、安定した個体群が存在するか否かを判断する基準とする。

一般の人々には、カラカルのような頂点捕食者の存在は、生態系のバランスが取れている証であり、その生存は特定の種を救うだけでなく、国内の自然環境の健全性を維持することにもつながると呼びかけ、その保護と研究に向けた継続的な取り組みに理解を求めている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments

Leave a Comment..

Name * Email Id * Comment *