インド人看護師にとってのグローバルキャリアの扉: BorderPlusの独企業買収
Posted on 07 Apr 2025 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
医療現場での言葉の壁問題はかなり大きいと思うけど、この場合の看護師さんは患者ケア専門人材という位置づけなのかな。画像は「YourStory」より。
人材派遣業BorderPlusが独Onea Careを買収、インド人看護師らのドイツ進出を目指すという話題を見つけた。
BorderPlus acquires Onea Care, paving the way for Indian nurses in Germany
ムンバイーを拠点に、インドから海外への人材派遣業を研修を含めて包括的に提供するBorderPlusが1日、ドイツの医療系人材紹介会社Onea Careを買収した。
この買収により、主に看護師をインドで採用し、ドイツで大規模に雇用するための下地作りとすることを目指す。
BorderPlusによると、インドとドイツをはじめとする周辺市場でのプレゼンス確立のため、合併および買収に1,000万ドルを投じた。
今後は採用業務の合理化、語学研修の改善、医療系人材のシームレスな統合を目指したデジタル化ソリューションを推進するとしている。
BorderPlusの共同設立者、Ayush Mathur氏およびMayank Kumar氏は声明の中で、「今回の買収により、インド人看護師や医療従事者がドイツで体系的かつ公正で質の高い雇用機会にアクセスできるようにする。(ドイツのほか)主要市場での機会を模索し、プレゼンスを拡大することで、インドの熟練した医療従事者が世界的なキャリアを展望に入れられるよう支援していく」と述べている。
これまで、海外での就職を目指すインド人看護師は、違法な採用プロセスや不利な雇用条件など、さまざまなリスクに直面していた。
同社は倫理的な採用手順や質の高い研修を責務として掲げている。
特に研修に力を入れ、労働力の世界的な流動性を高めることを企業目標としている。
ドイツでは2025年だけで15万人の看護師が不足すると推計されている。
こうした高まる需要に応えるため、2030年までに看護師50万人の採用を目指しており、高度なスキルと経験を持つインド人看護師に白羽の矢が立てられている。
Onea CareのLeon Bauer氏は、「BorderPlusとは、医療系人材の採用における質と公平性に対する価値観を共有している。この買収により、倫理水準と品質水準をともに維持しながら、人材不足に対処していきたい」と述べている。
医療従事者のグローバルな流動性の傾向
世界保健機関(WHO)の「Global Strategy on Human Resources for Health: Workforce 2030」では、2030年までに医療従事者の世界的な不足が予測されている。
出典: World Health Organization (WHO)
インド人医療従事者の機会
経済協力開発機構(OECD)による「International Migration Outlook 2023」では、インドが高所得国への主要な医療従事者供給国であることが報告されている。
出典: OECD
デジタル化が流動性に与える影響
デロイト(Deloitte)の報告書「Digital transformation: Shaping the future of European healthcare」では、医療分野におけるデジタル技術の導入が強調されている。
出典: Deloitte United States
将来の予測と目標
ドイツ連邦雇用庁(Bundesagentur für Arbeit)では、ドイツでは2030年までに約50万人の看護師が必要とされると予測している。
課題とその解決策
国際移住機関(IOM)の「Global Migration Data Analysis Centre」では、移住者のデータ収集と分析が行われており、文化的統合や言語トレーニングの重要性が指摘されている。
出典: GMDAC
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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