ハイダラーバードにアンベードカル博士を記念する博物館と図書館を建設へ

 

Posted on 30 Mar 2025 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

この暗黒の時代にあって、今のインドの礎を築いた人を忘れないという、光の見える話題を見つけました。



政府は、ハイデラバード首都圏開発局(Hyderabad Metropolitan Development Authority、HMDA)を通じ、フセイン・サーガル湖(Hussain Sagar Lake)近くにB.R.アンベードカル博士(Dr. B.R. Ambedkar)の名を冠した大型の博物館および図書館を建設する計画を立てている。

World class museum and library to commemorate the legacy of Dr. B. R. Ambedkar

3月29日に発行されたHMDAの提案依頼書(RFP)によると、巨大なアンベードカル像も建設される予定となっている。
現在、プロジェクト管理などのコンサルタント会社からの提案を募集している。

アンベードカル博士の生涯、遺産、貢献を記念する博物館は、そのビジョン、哲学、歴史的な影響を反映する文化的で教育的な空間となることが構想されている。
RFP文書には、博物館と図書館は11.8エーカーに及ぶ記念複合施設の一角に建設される見込みであると説明されている。

博物館は、通常の展示物のほか、デジタルの没入型体験、人工知能と仮想現実の使用など、インタラクティブな内容を目指している。
多言語デジタルディスプレイも計画されている。
入札の締め切りは4月11日で、プロジェクトが官民パートナーシップ方式で実施されるのか、それともエンジニアリング調達建設方式で実施されるのかはまだ決まっていない。​

B.R. アンベードカル博士(1891年4月14日 - 1956年12月6日)の生涯と功績

インドの法学者、経済学者、政治家、社会改革者であり、インド憲法の起草委員会の委員長を務め、独立インドの初代法務大臣を務めた。
「不可触民(ダリット)」と呼ばれ差別されてきた人々の権利擁護者として知られ、社会的差別の撤廃と平等の推進に尽力した。​
(参照: Wikipedia、Encyclopedia Britannicaなど)

アンベードカル博士は、ボンベイ(現ムンバイー)のエルフィンストーン・カレッジ(Elphinstone College)を卒業後、コロンビア大学とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学を学び、博士号を取得した。
帰国後は法廷弁護士として活動しながら、「不可触民」とされた人々の権利向上のための運動を展開し、複数の雑誌を創刊してその声を広めた。
(参照: Columbia Global Centersなど)

1936年には独立労働党(Independent Labour Party)を結成し、1937年のボンベイ選挙で成功を収めた。
また1947年にはインド憲法の起草委員会の委員長に任命され、基本的人権、社会的正義、平等を保障する憲法の制定に貢献した。
そのビジョンは、インドの中央銀行であるインド準備銀行の設立にも影響を与えた。 ​
(参照: MEA Indiaなど)

1956年、アンベードカル博士はヒンドゥー教を離れ、仏教に改宗し、多くのダリットの人々に影響を与えた。
今日でもインド社会における平等と正義の象徴として称えられている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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