自由恋愛が増加するインドの若者たちに急がれる教育

 

Posted on 05 Feb 2023 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

某政権の推す「異次元の少子化対策」への切り札として、「交際=結婚」という「古き良き」時代の価値観を固持するインド人とのマッチングはいかが。



そういえば都市の一部のかぶれた人々を除き、インドの若者、特に地方市町村出身者は交際や恋愛の経験が皆無またはほとんどないまま結婚していく人がまだ多数派である中、インターネットの遍在により社会が急速に情報化しており、ゆえにやたらと前のめりに何らかの行動をしようと危なっかしい人々も多い。

マハーラーシュトラ州の地方都市出身者である知人のお子さん(もちろん恋愛経験なし)は、晴れて就職して日本へ行ったかと思えば、2年足らずのうちにマッチングアプリで出会った人と、交際どころか結婚へ突っ走ろうとしている。
よく考えたら、大昔は新聞の「Classified」、インターネット黎明期2000年代前半からは見合いサイトで結婚相手を物色する習慣のあるインド人としては、至極正攻法なのだろう。
しかも、お相手は日本人とのことで、岸田政権の推す「異次元の少子化対策」という語彙にはまるのは、このように「交際=結婚」という「古き良き」時代の価値観を固持するインド人とのマッチングかもしれない、などと言ってみる。

そんなインドの若者たちに、交際時にお互いを尊重し、また微妙に変化する意思を確認する作法を教えるのは、令和と明治ほどの意識差のある親たちでなく、このような機関であるのは納得である。

College workshops teach consent etiquettes in Pune

記事では最近の調査で、プネーの若者(いわゆる「ジェネレーションZ」)の70パーセントが、交際相手との間での性行為にお互いに同意していることを確認したり、また辞退の意思を伝えたりすることにためらいがあると回答していることがわかったとしている。
また、同意なき行為に及んでしまった場合に相談する相手は、友人またはインターネットと回答した人が55パーセントにのぼり、相手にも親などにも相談しないと回答している。

そうした若い世代を対象に、マッチングアプリ大手「Tinder」が地元の組織と協力して、プネーやムンバイーの大学生を対象とした、「同意に基づく安全な交際のためのカリキュラム」と題したディスカッション形式のワークショップを開いている。

ワークショップでは、インド社会通念に配慮し、お茶を入れることを性行為のメタファーとして使用するなど編集した短い動画を見ながら、同意や拒否、その受け止め方といった作法をディスカッションしていくというものだ。

主催団体である「Yuvaa」はまた、こうした微妙なトピックについて若者たちが常に参照できるよう「letstalk.com」というウェブサイトを立ち上げ、啓蒙している。

「Yuvaa」によると、大学の教授陣も学生の私生活から距離を保つ傾向があり、信頼できる情報源と専門家による支援の整備が急務とされている。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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