インドの言葉を英語でどう伝える?短編集『5 Stories』

 

Posted on 17 Sep 2026 21:00 in エンターテインメント by Yoko Deshmukh

それぞれ未知の言語だけに、気になっています。



最近刊行された、コンカニ語とカンナダ語の短編集をそれぞれ英訳した『5 Stories』に関心を持っている。

Review | 5 Stories, Konkani and Kannada anthologies raise the bar for Indian translations

インド文学の英訳を精力的に紹介し続けてきたMini Krishnanが編集するシリーズの一部。

今回の2冊では、コンカニ語をVidya Paiが、カンナダ語をSusheela Punithaが、それぞれ翻訳を担当している。
両書について、「The Hindu」は「インド文学の翻訳作品の水準を一段と引き上げている」と評している。

1999年のカルギル戦争と、インド対パキスタンのクリケット・ワールドカップの決勝戦という緊張感に満ちた時代を背景に、ヒンドゥー教徒の少女がイスラム教徒の少年と駆け落ちしたという噂が広がっていく、というAmaresh Nugadoniのカンナダ語小説「This Heart Longs For More」では、物語の緊張感の多くは、ごくありふれた茶店を舞台に生まれる。
その店は政治について議論する人々のたまり場となり、当時の不安に普通のヒンドゥー教徒やイスラム教徒がどう反応していたのかを映し出す窓となる。

インド諸語独特のリズムを英語で再現しようとする表現も興味深い。

皿をごしごし洗う音は、「pata pata」。
井戸水を頭からかぶる音は、「dala dala」。
人がぶつぶつ不平を言うのは、「gona gona」。
豚が穴に落ちれば、「daddakh」。
誰かが杖で叩かれれば、「chateer」。

こうした地域固有の言葉は訳さず、そのまま残されている。

その土地ならではの味わい深い表現も原文の感覚を残している。

「Nazirは、まるでバターの中から髪の毛を器用に一本抜き取るように話していた」
「オオカミが穴に落ちれば、誰もが石を投げる」
「脚を伸ばす前に、ベッドシーツがどれほど大きいかを見なければならない」
といった表現だ。
 

ASKSiddhiは、Noteでも記事をアップしています。
今後メンバーシップを利用した企画なども考えていますので、
よろしければフォローしてみてください。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments

Leave a Comment..

Name * Email Id * Comment *