インド産コーヒー、日本で再発見
Posted on 02 Jul 2026 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
画像は「イェットゥ」ジャパンの公式サイトより。ブランドカラーのピンクがかわいいな、ギフトにぴったりだね。
チェンナイ発のブランド「イェットゥ(Yettu)」が、日本でも複数のロースターと協業し、オンラインショップを運営していることが分かり、「手の届きやすいインド産コーヒー」の窓口になっていることを、下記の記事で知った。
Yettu, an instant Indian coffee that elevates your morning cuppa with craft quality
「YETTU イェットゥ」日本のオンラインショップ
いまインドの都市部では主流となりつつあるスペシャルティコーヒーよりも、フィルターコーヒーで知られるチェンナイで、共同創業者のV・ヴィグネシュ(V Viggnesh)氏は「日本におけるインスタント麺のように、手に取りやすいクラフトコーヒー」を目指し、農園直送のコーヒー豆を取り扱う事業として同ブランドを立ち上げた。
ナガランド州ではコヒマ近郊のティザマ(Thizama)村、オディシャ州のコラプット(Koraput)、タミル・ナードゥ州のヴァルパライ(Valparai)とイェールカード(Yercaud)、そしてクールグ(Coorg)郊外など、全国のおよそ30~50軒の農園と協力し、自社向けのロブスタ種を栽培する。
こうした在来種アラビカのコーヒーは、やがて日本の焙煎業者に見いだされることになる。
きっかけは、「インドのコーヒーを日本で知られる存在にしたい」と、同社チームが日本で技術研修を受けることを決めたことだった。
日本を「コーヒーの聖地」と呼ぶヴィグネシュ氏は、研修を通して各地のコーヒーを味わい、「茶の国」であるはずの日本で、ほとんど執念とも言えるほどの熱量で、ドリップ抽出を中心とした文化が築き上げられてきたことに驚嘆している。
しかしながら、日本での名声は一夜にして実現したものではない。
初期に日本へ送ったロットは、特に高い評価を得ることはなかった。
その後、東京で開催された「日本スペシャルティコーヒー協会」*の展示会に出展、2025年には全国の焙煎業者とともに数か月にわたってカッピングセッションを重ねた。
あるコーヒーフェスティバルでは、1日半でおよそ600杯を販売するなど、徐々にその認知を広げた。
「現在、当社のコーヒーは、日本のトップロースター100社近くに定番として採用いただいている」とヴィグネシュ氏は語る。
地元に目を向けると、チェンナイでのポップアップや、これまでに5回実施したステルスローンチ*により、独自の支持層を構築しつつある。
同社コーヒーは、保存期間の長さも魅力のひとつ。
顧客の手に届く前に、焙煎したて、抽出したての状態でボトル詰めするため、1ボトル10杯分は、長いときで9か月近く、品質を保つことができる。
なお、日本で展開されているイェットゥの商品は、インド産コーヒーを単なる「珍しい産地」として売るのではなく、農園、精製、品質管理、焙煎までをひとつの物語として伝えている。
同ブランドは、インド産スペシャルティコーヒーの専門インポーターとして、完成した生豆を買い付けるだけでなく、農園とともに品種選定、発酵・精製、乾燥工程に関わる姿勢を打ち出している。
つまり日本の「カイゼン」と、インドの「ジュガード」を重ね合わせ、品質を高めながら、インドらしい創意工夫を生かそうとする考え方である。
さらに、日本の実力派ロースターとの協業により、インドの生産地と日本の焙煎文化を結びつけている点も特徴だ。
ROCA Coffee Roasters、LiLo Coffee Roasters、CRUISE TOWN、THE COFFEESHOPなどとのコラボレーションは、インド産コーヒーを日本のスペシャルティコーヒー市場に自然に受け入れられる形で紹介する試みと言える。
*日本スペシャルティコーヒー協会: スペシャルティコーヒーの普及や品質向上、展示会・競技会などに取り組む日本の業界団体。
*ステルスローンチ: 大々的な宣伝をせず、限られた顧客や場所で商品・サービスを試験的に始めること。

ASKSiddhiは、Noteでも記事をアップしています。
今後メンバーシップを利用した企画なども考えていますので、
よろしければフォローしてみてください。
|
About the author
|
|
|
Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
|
User Comments