2026年カンヌ国際映画祭の「ある視点(Un Certain Regard)」部門でプレミア上映された『Elephants in the Fog』が、ネパール映画として初めて、カンヌ国際映画祭の公式部門に選出された長編作品であると報じられている。
アビナーシュ・ビクラーム・シャハ(Abinash Bikram Shah)監督は、2022年に短編映画『Lori』がカンヌで特別賞賛(Special Mention)を受け、国際的な注目を集めていた。
物語は、ゾウが出没する森林近くのネパールの村で暮らすキンナル(Kinnar、トランスジェンダー女性コミュニティー)のリーダー「ピラティ(Pirati)」を中心に展開される。
作品では、社会的周縁化、家族、責任、許されない愛、生存といったテーマが描かれている。
本作は「ある視点」部門において審査員賞(Jury Prize)を受賞した。
これは同部門における実質的な第2位に相当する評価とされている。
海外批評家からの初期評価も好意的であり、『Variety』誌は本作を「観客を引き込むネパール映画」と評した。
また、農村部のトランスジェンダー女性たちの描写や、情感豊かな空気感を高く評価する声も出ている。
本作は、ネパール、フランス、ドイツ、ブラジル、ノルウェーによる国際共同製作作品である。
これまで、ネパール映画が世界最高峰クラスの映画祭に到達する例は極めて少なかった。
カンヌでの評価は、新興国映画にとって国際配給や世界的認知度を大きく変える契機となる場合が多い。
本作は、トランスジェンダーのアイデンティティー、地方における社会的排除、人間と自然の緊張関係といった社会性の強いテーマを、アートハウス映画的な映像表現と結び付けており、現在の国際映画祭の潮流とも強く合致している。
こうした点から、本作の受賞は歴史的に重要な転換点となるのではないかと期待されている。

ASKSiddhiは、Noteでも記事をアップしています。
今後メンバーシップを利用した企画なども考えていますので、
よろしければフォローしてみてください。