インドの職場、今と昔
Posted on 16 Apr 2026 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh
写真は近代的なオフィスビル入り口でちゃっかり涼むワンちゃんです。
4回目の出社。
ここ数日のプネーは、夏がいよいよ烈火のごとく激しさを増し、夜も寝苦しい中で、職場の人々も心なしか病欠が目立つ。
今週は火曜日がアンベードカル博士生誕日※で、市内各所で記念行事が開催されていたこともあり、交通渋滞を懸念して在宅勤務がすすめられた。
そんなわけで、今週の出社は木曜日である本日となった。
とはいえ、他の平日も在宅で会社の仕事はしているし、1日に1回はチームとのオンライン会議がある。
本日は、シニアなデリバリーマネージャーとの会議も予定されていた。
おそらく年の頃は、わたしと同じくらいだろう。
前日に電話で話した印象では、いかにも「インドおじ」らしい、やや高圧的な口調に感じられ、少し身構えて臨んだのだが、実際に話してみると、拍子抜けするほど素朴で良い人物だった。
会話の内容も終始平和で、むしろただこちらを助けようとしてくれていただけだと分かり、ほっとした。
こうした瞬間、否応なしに十数年前に勤めていた別のインド企業での日々を思い出してしまう。
決定的に違うのは、この方はもちろんのこと、チームメンバーも含めて、容姿のことを一切話題にしないことだ。
たとえ褒めるためであっても、容姿の話題は本当に苦手である。
それに加えて、根掘り葉掘りと個人的な領域に踏み込もうとする質問も、ほとんどない。
この会社が、プネーだけでなくインド各地から多様な人々を集めていることも一因だろうが、それ以上に、あの当時とは時代そのものが変わり、それに合わせた企業倫理の研修がしっかりと行われているのだろうと感じる。
そして、以前の会社でも、この会社でも共通して感じるのは、ティータイムもランチタイムも、たとえばNetflixで視聴する動画を「音の響きの好きなスペイン語」のコンテンツでチョイスしていると語る女性、養子縁組を求めてインドに来るドイツ人が増えていると語る男性など、他愛のない会話の中で、男女が変な下心なしに、まるで兄妹のように自然に親しくしていることの心地よさである。
今日のランチメンバーは、西ベンガル出身の女子、アッサム出身の女子、そして出身は聞きそびれたがジャイナ教徒なのに豪快にチキン・ターリーを食すイケメン男子、さらに先週も付き合ってくれたチームリーダー的な男子と、わたしの5人。
毎週こんなおばちゃんを仲間に入れてくれる若者たちに、少しでも感謝を伝えたいと思い、初めての給料もまだの今、なけなしのお金で敷地内の売店からタピオカチップス(20ルピー、しかも1袋だけ)を買ってきて振る舞った。
食事中、話題はラーメンへ。
福岡の豚骨スープの話をすると、日本でアイドルになれそうなほどキュートなルックスに加え、IITグワハティ校出身という最強の頭脳を持つアッサム出身の彼女が強く反応した。
なんでも、彼女の故郷では豚肉やタケノコを日常的に食べ、豚骨を髄が出るまで3日間ほど煮込む料理もあるのだという。
さらに、以前住んでいたバンガロールには、彼女の故郷の味に近いナガランド料理の店が多くあったそうだ。
インド各地からこの会社に集まってきた優秀な人たちと、こうして一緒に時間を過ごし、自分の知らなかったインドの話を聞けることが、毎週とても楽しみになっている。
自分のような者が相手をしてもらえるだけでもありがたいのに、そこに新しい発見まであるのだから、なおさらだ。
それもまた、週1日の出社日の楽しさのひとつなのだと思う。
※アンベードカル博士生誕日:
インド憲法の起草者であり社会改革者であるビームラーオ・ラームジー・アンベードカル(Bhimrao Ramji Ambedkar)博士の誕生日(4月14日)を記念する日。

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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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