「The Hindu」に、差別により危険な汚水溜め作業を強いられてきた人々の現状について詳しく伝える特集記事があった。
How regulatory gaps turn sanitation work deadly
2025年5月、トゥマクル(Tumakuru)郡のタヴァレケレ(Tavarekere)村にある住宅の所有者が、併設された汚水溜め(septic pit)を12年ぶりに空にしようと衛生会社に見積もりを依頼したところ、吸引機を動員しての作業で固まった汚泥を除去するには数時間かかるとして、2万ルピーの費用を提示された。
公立病院の職員であるこの家の所有者は、代わりに、この地域で時折こうしたピットの清掃作業を請け負っている55歳の農業労働者、R氏に連絡を取った。
R氏は他に2人の日雇い労働者を伴い、7,500ルピーで作業を引き受けることに同意した。
3人は翌日から深さ約2.4メートルの汚水溜めに入り、丸2日間かけて汚物を除去した。
ところが作業を終えた日の夕方から、R氏は呼吸困難に陥った。
家族は6つの病院をはしごし、合計で約7万ルピーもの医療費を費やして懸命にR氏の回復を願ったが、それから1週間もたたずR氏は亡くなった。
「清掃作業員の雇用禁止および更生法」(Prohibition of Employment as Manual Scavengers and their Rehabilitation Act, 2013)では、「manual scavenger(人力清掃作業員: 保護具なしで素手や簡易な道具を用いて、トイレ、下水道、浄化槽、鉄道線路などから人間排泄物を手作業で清掃・運搬・処理する労働者)」とは、「非衛生的なトイレ、線路、その他の指定された場所」から、排泄物が腐敗する前に人力で排泄物を清掃する作業に従事する者」と定義されている。
しかし、Safai Karmachari Kavalu Samithi(SKKS)* の会員であるS判事は、定期的な排水が必要な汚水溜めはグレーゾーンに該当すると述べた。
この定義上の区別が、同判事の言うところの「規制上の」抜け穴を生み出している。
非衛生的なトイレの清掃中に人が死亡した場合、それはまさにこの法律の適用対象となる。
一方、汚水溜めの中で人が死亡した場合は、「危険物清掃」に分類される。
この区別は、死亡の記録方法だけでなく、遺族が受けられる救済措置(もしあれば)も決定する。
この分類によって、死亡が禁止行為違反として認定されるか、「職業上の」事故として扱われるかが決まると同氏は説明した。
したがって、R氏の家族は、「identified manual scavengers(人力清掃作業員として特定された者)」という狭い枠組みから外れている。
身元確認がなければ、法定給付を受けることができない。
同法第13条(1)(b)に基づき、「identified manual scavengers」は、初期支援として4万ルピーの現金給付を受け、その後、技能開発研修と代替生計のための資金援助を受ける権利がある。
しかし、R氏のようなケースでは、この限定的な支援さえも提供されていない。
元労働者たちは、補償金が支払われたとしても、それが生活の安定にはほとんど役立たないと主張している。
ある60代の元作業員はこう語る。
「社会復帰の枠組みは、技能開発、自営業、生計の転換に重点を置いているが、こうした措置は若い労働者にとっては利用しやすいかもしれない。しかし高齢の労働者は、融資を受けたり、研修プログラムを修了したり、別の仕事を見つけたりするのに苦労しているのが現状だ。40歳になる頃には、多くの人が社会復帰計画の実質的な対象から外れてしまう。すでに精神的にも肉体的にも疲弊しているからだ」
農村開発・パンチャーヤト・ラージ局(Rural Development and Panchayat Raj Department)* の職員は、州政府が浄化槽を機械的に管理することの必要性を認識していることを指摘し、グラム・パンチャーヤト(地方議会)が人口と自家収入に基づいて吸引機を調達するための基準が定められていると述べた。
この規則によると、人口7,000人以上、年間収入が30万ルピーを超えるグラム・パンチャーヤトは、少なくとも1台の吸引機を購入しなければならない。
小規模なパンチャーヤトは、他のパンチャーヤトと共同で1台の吸引機を購入することが求められている。
つまり、汚水溜めの清掃には機械化された清掃が必要であることを認めている。
にもかかわらず、多くの農村部では、グラム・パンチャーヤトが吸引機を所有していないため、民間業者による高額な料金請求が横行している。
都市部では、規制枠組みは衛生業務の正式化も重視している。
2月、バンガロール上下水道局(BWSSB)は、マンホールや下水処理場(STP)の清掃に従事するすべての民間機関および車両に対し、3月7日までにBWSSBへの登録を義務付けた。
この通知では、商業ビル、住宅団地、集合住宅、私有地の所有者に対し、未登録または無許可の作業員による清掃中に事故が発生した場合、所有者が直接責任を負うことを指示している。
こうした規制にもかかわらず、労働者たちは、福祉制度や象徴的な措置によって規制が存在するように見えるだけであり、機械化、厳格な施行、所得保障といった長期的な構造改革は依然として欠如していると主張している。
Safai Karmachari Kavalu Samithi(SKKS)*
カルナータカ州を拠点とする清掃労働者の権利団体。手作業による下水・トイレ清掃(manual scavenging)の廃止や労働者の権利保護を求めて活動している。
Rural Development and Panchayat Raj Department*
州政府に設置されている農村開発および地方自治制度(パンチャーヤト制度)を管轄する行政部門。農村インフラ、地方自治体運営、地域開発政策などを担当する。

ASKSiddhiは、Noteでも記事をアップしています。
今後メンバーシップを利用した企画なども考えていますので、
よろしければフォローしてみてください。