プネーでグランドピアノを練習できる「Tuhin Rao’s Piano Studio」訪問記
Posted on 12 Aug 2025 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh
ピアノという共通項目だけで、なんだか昔から知っている人のように初対面から打ち解けてお話できて、とても楽しかったです。よき出会いとなりました。
時間貸しでグランドピアノの練習をさせてくれるプネーの音楽教室を、ようやく見つけた。
Tuhin Rao's Piano Studio
実際には、初めてコンタクトを取ったのは3年も前のことだった。
そのころも、ピアノの時間貸しをしているかを尋ねたら快く承諾してくれていたのに、その後は身の回りが慌ただしくなり、なかなか行動に移せずにいた。
しかし、「Tuhin Rao」さんのグランドピアノは、気づけばいつも心の片隅にあった。
今回、意を決して再び彼にコンタクトした。
その前に、教室のFacebookにアップされていた、小学生くらいの女の子によるショパンの「Nocturne No. 20 in C♯ minor, Op. posth.」の演奏を観て、心を決めた。
そして先日、Tuhinさんを訪ねることに成功したのである。
貸し切りの教室かと思いきや、そこはTuhinさんご両親の所有とみられるフラットで、ドアを開けるとすぐの居間にドーンと「YAMAHA」のグランドピアノが鎮座していたのには驚いた。
床の補強や防音マットなどを敷いている様子が見られないのは、さすが自由の国インドである。
実際、「近所から騒音の苦情がくることはまったくない」と豪語されていた。
しかも、グランドピアノの調律はご自身でされているという。
同じ居間には、カバーのかかったアップライトピアノが1台、そしてそこに、やはりカバーのかかった電子ピアノが立てかけられていた。
肝心の料金だが、1時間600ルピーと、グランドピアノを弾き放題にして非常にリーズナブルであると言わざるを得ない。
Tuhinさんは16歳の時に電子ピアノを買ってもらったことをきっかけに、音楽の魅力の虜になったという。
その後、Koregaon Parkにあるスクールで1年ほど習い、その後は独習でさまざまな西洋クラシック曲を弾きこなしている。
大学では物理学を専攻したものの、副専攻では音楽を学び、卒業後の進路は迷いなく音楽のほうを選んだという強い意志の持ち主である。
それから20年あまり、音楽だけで独立してきたというからすごい。
現在は1か月の半々を、妻が働くアラブ首長国連邦ドバイとプネーとの間を往来して暮らす2拠点生活を楽しみつつ、主にオンラインで子どもたちにレッスンを提供し、生徒数は30名にも及ぶ。
音楽理論やピアノ演奏の力学に特別詳しいわけではないわたしから見ると、彼の演奏はとても力強い個人の意志を反映したものだと思う。
そしてたまたま、わたしが先生からいただいていた課題曲のうち、Enrique Granadosの「Danzas Españolas, No. 5 Andaluza」を、彼も練習されていて、大きな手ならではのダイナミックな響きを聴かせていただいた。
楽譜もほとんど暗譜している様子なのも印象的だ。
ただし、グランドピアノのキーは自前で調律されているだけあって、ところどころ堅く引っかかりがある気がするので、定期的にはプロの調律師に依頼したほうがいいかもしれない。
できるだけ毎週、時間を作って「Tuhin Rao」さんのピアノを借りにうかがおうと思っている。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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