8月の教室で学んだこと

 

Posted on 09 Aug 2025 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

画像は2016年7月、インド親戚を長崎にお連れしたときのものです。



小学校3年生から5年生まで過ごした長崎では、毎年8月9日が夏休み中の登校日となっていて、朝まず体育館で校長先生によるお話があり、そのあと各教室で平和授業を受けた。
ちなみに、わたしが1~2年時と6年時を過ごした福岡市内の小学校では、8月6日が登校日になっていた。
小学生として、そこからの長い人生を思ったとき、原爆とその理不尽で筆舌に尽くしがたい犠牲、そして紛れもなくこれを実行したのが同じ人類であることを深く学び、考え続けたきっかけとなった。
このときに抱えた世界やその仕組みに対する大いなる疑問、そしてやがて日本が第二次世界大戦中から今日に至るまで、他国および国内の外国人らに対して行ってきた、人として到底許されざる数々の所業や差別行為について学習したことと合わせて、かけがえのないことだったと今は考える。

広島も長崎も、日本を訪れるインド人たちにとって必ず訪れるべき都市になっているように見える。
小学校の授業で必ず学習するからなのだろう。
犠牲者の様子やマンハッタン計画の存在など、詳しいことまでは学ばないまでも、「75年は草木も生えぬ」とされた惨状から、いかにして復興したのかという奇跡の物語として教えられるようだ。

世界情勢がますます不安定化し、「平和」が単なる語彙としての意味しか持たなくなりつつある今年8月6日と8月9日は、わたしを含め多くの日本人にとって複雑かつ格別な気持ちで迎えることになったのではないか。
そんな中にあって、インドは国会で毎年8月6日、原爆の犠牲者らを追悼する黙とうを捧げている。
今年はその動画を見て、特に胸にこみ上げるものがあった。



 

日々の生活に忙殺されがちなわたしたちだが、だからこそ愚かな過ちを絶対に繰り返さないために、歴史を見つめ、自身の内面と向き合い、よりよき人として生きることを軸とすることを忘れたくない。

 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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