寂れたモールの2Fにある、自由に奏でられるピアノショールーム

 

Posted on 30 Jul 2025 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

まぁいまや「Google Map」なんかで、どこに何があるかちゃんと分かるから、外側がどうであろうが関係ないんだろうね。



Koregaon Parkの入り口、かつて栄えていたが、いまはすっかり寂れてしまったショッピングモール、「Jewel Square」。
今回、おそらく10年以上ぶりに足を運び、その様変わりぶりに衝撃を受けた。



 

ここにはかつて、「Planet M」というミュージックショップがあって、ちょくちょくCDを見に来ていた。
東日本大震災直後にアーティストら有志が曲を寄せた2枚組のアルバム「Songs for Japan」もここで入手して、何度も聴いたものだった。
いい感じのコーヒー店もあった。

訪れた目的は、このモールの2Fにあるピアノのショールームを見学するためだった。
ショールーム内には、グランドピアノが2台、アップライトピアノが3台、小型アップライトピアノが3台、電子ピアノが複数台あり、またピアノ用だけでなく、ギターなど他の楽器用も含む楽譜も販売している。

展示品はいずれもカワイ製かと思いきや、ドイツの○製もあった。
カワイ製のうち、「Made in Japan」表記以外のものはインドネシア製とのことだった。

しかも目玉は、「いつでも何度でも来て、何時間でも試弾してください」という太っ腹ぶりである。
実際、わたしが訪ねた際には、若い男性がドビュッシーの「月の光」を元気いっぱいに演奏されていた。
その男性が帰った後の静まりかえった店内では、スタッフ2名ともがそれぞれスマホ等に夢中だったことに勇気を得て、わたしも試弾させていただいた。

いずれもきちんと調律されたクリアな音だった。
プネーの調律師さんにお願いしているとおっしゃっていたので、購入後の調律問題もなさそうである。

国が発展するとき、親たちは子にピアノを習わせようとする傾向にあるらしいことは、かつての日本、そして中国やタイなどでの現象を見ていても分かるが、ここへ来てインドの中間層の間でも、「習い事がピアノ」という世帯が増えているように思える。
そう考えると、一見とても寂しいモールの片隅にある、あまり人の出入りのなさそうなショールームではあるが、月に1台程度はピアノが売れていて、元は取れているのかもしれない。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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