気候の逆境にも負けない: 南インドで注目される在来マンゴー
Posted on 23 May 2025 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
マンゴーの品種をひたすら羅列した記事があまりにもカラフルかつ文字通り垂涎でした。
いままさにマンゴー天国となっているインド西部であるが、実はタミル・ナードゥ州にも在来種のマンゴーが多数あるという話題を見つけた。
Discover native mango varieties in Chennai
マイラポール(Mylapore)県のオーガニック・マンゴー農家「Organic Shandy」では、ことしは(タミル・ナードゥ州産)在来種のマンゴーが優勢だ。
共同創設者、ムラリ(PB Murali)氏によると、ことしタミル・ナードゥ州のマンゴーは不作で、平均で予想の20%程度しか収穫できていないという。
そうした中でも、在来種が強い傾向にある。
チェンナイ近郊にあるムラリ氏の農場は、季節外れの雷雨により、60エーカーに広がる5,000本以上のマンゴーの木が大きな打撃を受けた。
農場ではバンガナパリ(Banganapalli)、イマーム・パサンド(Imam Pasand)、マルゴバ(Malgova)、アルフォンソ(Alphonso)、マリカ(Mallika)、パティリ(Pathiri)、そしてラジャパラヤム原産の在来種であるパンチャヴァルナム(Panchavarnam)などの品種を栽培している。
同氏によると、州全体で在来種の発見、調達、栽培が進む中、同県のある農家がことし、ヤアナタライ(Yaanathalai、象の頭という意味)という、1キログラムを超える巨大な果実を持つ在来種を収穫した。
アディヤル(Adyar)県の「Organic Farmers Market」でも、ことしは厳しい状況が続いているものの、一部の在来種は気候条件への耐性が強い傾向が見られるとしている。
「ディンディグル(Dindigul)県産の濃い緑色で皮が非常に厚いカランクラング(Karunkurangu)という品種をはじめ、在来種の調達を増やしました」と、共同創設者であるアナンタ・サヤナン(Anantha Sayanan)氏は説明する。
サヤナン氏によると、通常は収穫量が多いサーレム(Salem)地域も季節外れの降雨の影響を受けている。
同氏は「州内でマンゴーの主要産地であるサーレム、ダルマプリ(Dharmapuri)、クリシュナギリ(Krishnagir)は、開花期に予想外の降雨があり、過去最悪の打撃を受けました。これにより、収穫量が大幅に減少しています」と明かす。
同農場では、イマーム・パサンド、バンガナパリ、マルゴア、アルフォンソ、セントゥラム(Senthuram)に加え、少量ながらカラパディ(Kalapadi)も取り扱っている。
アンナー・ナガル(Anna Nagar)の「Cholayil Farm to Table」を経営するススメラ・チョライル(Susmera Cholayil)さんは、販売に適さない生のマンゴーが2トン以上も余っていると打ち明ける。
ティルヴァルール(Tiruvallur)県にある85エーカーの同マンゴー農園には、約900本のマンゴーの木と45種類近くのマンゴーが植えられているが、収穫量は予想の30%しかない。
5月末までの収穫を終えたら、青マンゴーを使ったピクルスや天日干し製品の加工を考えている。
バンガナパリ、ベンガルーラ(Bengalura)、アルフォンソを仕入れており、カラパディ、スワルナレカ(Swarnarekha)、ニーラム(Neelam)、マルゴア(Malgoa)、パティリ(Pathiri)、ラサル(Rasalu)といった品種も、収穫次第仕入れる予定だ。
ティルヴァンミユール(Thiruvanmiyur)県の「Safe Foods」の創業者ゴピ・デバラジャン(Gopi Devarajan)氏は、オーガニック食品調達の経験をもとに、主にタミル・ナードゥ州とアーンドラ・プラデーシュ州、そしてカルナータカ州からマンゴーを仕入れる。
州内のティルヴァルール(Tiruvallur)県とディンディグル県はいずれも不作のため、ことしはカダパ(Kadapa)産のバンガナパリが特に甘く、数週間後にはカラパディ、ナドゥサライ(Nadusalai)、サッカラカッティ(Sakkarakatti)といった在来種のマンゴーがおすすめという。
Safe Foodsでは現在、バンガナパリ、イマーム・パサンド、センチュラム、マルゴア、アルフォンソ、ジャバリ(Javari)、マリカを取り扱う。
6月第1週にはさらに多くの品種が入荷する予定だ。
コッティヴァッカム県の「reStore Organic Store」では、タミル・ナードゥ州全域からマンゴーを仕入れている。
マルゴア、マリカ、ケサール、ラサル、セントゥラム、ダシェリ、イマーム・パサンド、アルフォンソ、ジャバリ、バンガナパリを取り扱っている。
「まだ収穫を終えていない農家もいるので、マンゴーのシーズンは8月まで続く可能性があります」と店長のR・カルティク(R Karthik)氏は語る。
同氏はカーンチープラム県産のピーテル(Peether)やパティリ(Pathiri)などの在来種が狙い目としている。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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