インド初の「ウォーター・メトロ」: ケーララからムンバイへ広がる水上交通革命

 

Posted on 25 Apr 2025 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

陸上メトロと違って、造船とジェッティの建設だけで済む水上メトロは、水運が可能な限られた都市で導入が進みそう。



ケーララ州コーチ(Kochi)で運航しているエアコン付きハイブリッド電気式小型フェリー、通称「ウォーター・メトロ(Water Metro)」が、開業から2年を迎えたという記事を見つけた。

Kochi Water Metro sails into third year with patronage of 4 million commuters

コーチ都市圏の10ターミナルを結ぶウォーター・メトロは、これまで述べ400万人の通勤客を輸送した。

ケーララ州政府が2023年4月25日に運行を開始した、インド初の水上メトロは、コーチ・メトロ(Kochi Metro Rail Ltd 、KMRL)がコーチン造船所(Cochin Shipyard)に発注した100人乗りフェリー23隻で運航している。
今後、段階的に78隻まで拡大を目指す。

なおインド政府によると、ウォーター・メトロは今後国内の他都市でも導入予定で、全国21か所で実現可能性を調査する計画としている。
うちKMRLは、コーチでの成功事例をモデルに、ムンバイーにおけるウォーター・メトロ・プロジェクトの実施可能性調査をマハーラーシュトラ州政府に提出、このほか11州と2連邦直轄領の21都市でも同様の実現可能性調査を実施する予定。

補足: ムンバイのウォーター・メトロ計画の概要
路線数と接続地域:​ムンバイー都市圏(MMR)内で8つの水上交通ルートが計画されており、ムンバイー市内の主要地点と、ターネー、パールガル、ライガドといった周辺地域を結ぶ予定。

インフラ整備: これらはマハーラーシュトラ州海事委員会(MMB)およびマハーラーシュトラ州漁業開発局が共同で実施するプロジェクトの一環として、15か所の船着き場(ジェッティ)建設が計画されている。

運行開始時期: 詳細なプロジェクト報告書(DPR)は2025年5月までに完成予定であり、サービス開始は2026年初頭を目指している。 ​

技術支援とモデル: コーチのウォーター・メトロの専門知識と技術が活用され、バッテリー駆動のエコフレンドリーな船舶が導入される予定。 ​

地理的制約: ムンバイーの東海岸には防衛施設が存在するため、セキュリティ上の制約があり、ルート設定には慎重な検討が必要とされている。 ​

ムンバイのウォーター・メトロ計画は、都市の交通課題に対する革新的な解決策として注目されており、持続可能な都市交通のモデルケースとして、他の都市への展開にも影響を与える可能性がある。

出典: Water taxis to ease Mumbai’s traffic woes – 15 new jetties and 8 routes planned _ Mumbai News - The Indian Express
Mumbai To Soon Get Water Metro Inspired by Kochi Model - Details Inside

 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments

Leave a Comment..

Name * Email Id * Comment *