南インドで相次ぐ規制: 生卵マヨネーズの禁止令

 

Posted on 24 Apr 2025 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

そもそも日本にいたころから生卵入りであることが理由でマヨネーズ嫌いわたしだけど、だからこそインドのヴィーガン・マヨ(写真)はおいしく食べられるんだよね。



タミル・ナードゥ州では、4月8日から1年間、生卵を材料に含むマヨネーズの製造、保管、販売を禁止している。

Tamil Nadu bans mayonnaise made from raw eggs for one year

この禁止令は、「生卵から作られたマヨネーズは、特にサルモネラ菌、チフス菌、腸炎菌、大腸菌、リステリア菌による食中毒のリスクを伴う『高リスク食品』である」という根拠に基づく、公衆衛生上の利益のために発令されたもの。

同州食品安全局が官報で発表した通知によると、食品安全基準法(Food Safety and Standards Act, 2006)第30条(2)(a)および同局の命令に基づき、生卵を原料とするマヨネーズの製造、加工、包装、保管、輸送、流通、食品サービス、ケータリングサービス、販売などの一切の活動は、州内で禁止されている。

公衆衛生リスクの具体的な状況については、入手可能な情報に基づく評価によると、健康への有害影響の「可能性が認められる」にとどめているが、「科学的な不確実性が残るため、より包括的なリスク評価のための更なる科学的情報が得られるまでの間、本法に基づき、健康の保護を確保するための暫定的なリスク管理措置を講じる」としている。

この命令により、州内では生卵を原料とするマヨネーズを製造、保管、販売、または配布してはならないと定められている。
​高温多湿な気候が大部分を占めるインドでは、リスクがさらに増大する。​

同様の理由から、以下の州でも生卵を原料とするマヨネーズの消費が禁じられている。

ケーララ州
2023年1月、ケーララ州は生卵を使用したマヨネーズの製造と提供を禁止した。
​これは、チキン料理と共に提供されたマヨネーズが原因とされる食中毒が複数発生したことを受けた措置で、​州政府は飲食店に対し、生卵の代わりにパスチャライズ(低温殺菌)された卵を使用するよう指導している。 ​

テーランガーナー州
2024年10月、テーランガーナー州は生卵を使用したマヨネーズの製造、保存、販売を1年間禁止した。
​この決定は、ハイダラーバードでマヨネーズを添えたモモ(蒸し餃子)を食べた31歳の女性が死亡、15人以上が食中毒で入院した事件を受けたもの。

安全な代替案
食品安全局は、以下のような代替品の使用を推奨している。​

パスチャライズ卵を使用したマヨネーズ: ​低温殺菌された卵を使用することで、病原菌のリスクを低減できる。​
ヴィーガン・マヨネーズ: ​植物性の材料(例: アボカド、オリーブオイルなど)を使用したマヨネーズは、卵アレルギーのある人や植物性食を好む人に適している。​
ギリシャ・ヨーグルト: ​マヨネーズの代替として、タンパク質が豊富で低脂肪な代替となり得る。​

現在のところ、プネーを含むマハーラーシュトラ州では生卵を使用したマヨネーズに関する明確な禁止措置は報告されていない。

 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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