ネパールが生んだククリ・ラムがインドでも入手可能に
Posted on 22 Mar 2025 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
お酒を飲まないわたしだけど、「キャラメル」のくだりを見て、思わず飲んでみたくなっています。
ネパールの本格ラム、ククリ・ラム(Khukri Rum)が、マハーラーシュトラ州を含むインド国内の一部地域で入手可能になるらしい、という記事を見つけた。
Nepal’s Khukri Rum comes to India. Here’s how three Parsi businessmen started the company in 1959
1959年、3人のパールシー実業家がカトマンズにラム酒の蒸留所を設立したのが発祥とされる。
「ククリ(Khukri)」とは、ネパールの伝統的なナイフを意味する。
それまでネパールの酒造業は自家製スピリッツに限られていたため、同ブランドの立ち上げは業界の転機となった。
以来、このダークラムはネパールだけでなく世界中のファンの間でカルト的な地位を獲得するに至る。
それが創業から60年以上経った今、ついにインドでも発売されるようになったというのだ。
ネパールにおけるラム酒の歴史は比較的新しく、1950年代後半に本格的な商業生産が始まるまでは、伝統的な地酒やアラック(穀物や果物を発酵させた蒸留酒)が主流だった。ククリラムの誕生は、ネパール国内における西洋式スピリッツ製造の幕開けを意味しており、地場産業と輸出産業の両面で新たな道を切り開いた。
「ククリ」ブランドはネパールを拠点としていた3人のパールシー実業家、ジャムシェドジ・R・コントラクター(Jamshedji R Contractor)、ジェハン・H・コントラクター(Jehan H Contractor)、ソリ・R・マネクショー(Soli R Manekshaw)によって設立された。
現在の社名は「MCKT Beverages Pvt. Ltd.」。
ネパール、ブータン、シッキムに蒸留所を持つ。
ネパールの伝統に敬意を表したいと、ブランド名として冠されたククリとは、伝説の戦士グルカ兵が持つ、長さ12~15インチ独特の曲線状をしたナイフを指すネパールの伝統武具である。
ククリのラムは、肥沃な土壌により農産物の品質が高いテライ(Terai)農業地帯からサトウキビを調達している。
抽出したジュースは、酵母とヒマラヤの水で発酵させてアルコールとなる。
もともとは単式蒸留器を使用して蒸留していたが、現在は高度なコラムスチル蒸留器を使用する。
伝統的なスパイスを使用して、独特の風味を生み出す。
ネパールの大地が生み出した砂糖から、古典的なカラメル化によりつくられる薪炊きの天然キャラメルが、味の決め手となる。
ラム酒はその後、インドとネパール原産で、地元ではサル(Sal)と呼ばれる木材製のショレア・ロブスタ樽で熟成する。
この木材は非常に硬質で耐久性があり、ネパールの伝統的な建築や家具にも使われている。サル樽はラムに独特のタンニンとスモーキーな香りを与え、他の一般的なオーク樽とは異なる風味をもたらす。
「複雑な深みを出すため、貯蔵酒の中には45年以上熟成されるものもある。標高が高く涼しい気候が熟成を遅らせ、スピリッツの味わいを豊かにする」製造メーカーの代表者は語る。
現在は「Khukri XXX Rum」、「Khukri Spiced Rum」、「Khukri White Rum」の3種類を展開する。
現在のところマハーラーシュトラ州、ウッタル・プラデーシュ州、ゴア州などの一部の州で販売、来年までには他州にも拡大される予定となっている。
ククリの形をしたボトルに入ったコレクターアイテムも、近々インドで発売される。
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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