テーランガーナー州の大聖堂、ことしのクリスマスに建立100周年

 

Posted on 23 Dec 2024 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

「ザ・ヒンドゥー」なイメージの土地にアジア有数の大聖堂が建てられ、今も存続する背景には理由があるんだな。The Medak Cathedral image is from Wikipedia.



インド最大級のキリスト教会のひとつがテーランガーナー州にあることを、初めて知った。

メダック大聖堂(Medak Cathedral)は現在、建立100年目のクリスマス礼拝に向けて静かな準備を進めている。

Celebrating Christmas inside 100-year-old Medak Cathedral built during a famine



100年前の1924年12月25日、ロバート・ポスネット(Robert H. Posnett)牧師と弟のチャールズ・ウォーカー・ポスネット(Charles Walker Posnett)牧師が最初のクリスマス礼拝を行った。
ある信者は、母方と父方の祖父母がともに、その日に集まったおよそ3,000人の信者の1人だったと語る。
100年後のことし12月25日、その孫たちがこの大聖堂での礼拝に出席する。

ある信者の父方の曽祖父は、深刻な飢餓の年に、食料と仕事を求めてメダックに来た。
湖は干上がり、雨も食糧もなく、家族は子どもを売るしかなかった。
当時、チャールズ・ポスネット牧師はこの地域での仕事を作るために病院、学校、ホステルの建設を開始していた。

牧師のもとで働く人々は、ビルマ(現在のミャンマー)から輸入された米を1日1食分もらっていた。
仕事の対価としての食糧提供が約束されるため、周辺地域から大勢の人々が出稼ぎに来ていた。
その数は膨大で、カカティヤ(Kakatiya)朝時代にはシッダプール、ニザーム時代にはグルシャナバード(Gulshanabad)と呼ばれていた村は、メダック(メトゥク、つまり「米粒」の訛り)になった。
大聖堂が建っている土地はニザームからの贈り物である、と現在教会に所属するシャンタイア(T. Shantaiah)牧師は語る。

大聖堂の工事は、ヨーロッパで世界大戦が激化し、国中から配給が大量に流出した1914年に始まった。
シャンタイア牧師によると、チャールズ牧師は当時、イギリスで著名な教会で2年間働いた経験を持つ宣教師などを呼び寄せ、教会の建設計画を立てることで、疫病と飢餓に苦しむ人々に奉仕しようとした。

当時の藩王国のニザーム、オスマン・アリー・カーン(Osman Ali Khan)は、教会が(ハイダラーバードの)チャールミーナールよりも高くなることを望まなかったため、大聖堂の高さは173フィートに制限された一方、内部は壮麗さ尽くした装飾が施された。
200フィートのnave身廊はイギリスから運ばれてきたモザイクタイルで覆われ、ボンベイから来たイタリア人の石工によって埋め込まれた。

イエス・キリストの昇天を表すステンドグラスは1927年に、東側のキリスト生誕のパネルは1947年に完成した。
最後に加えられた、はりつけにされたキリストを描くパネルは1958年に完成、いばらの冠の上にそれぞれヒンディー語で「Yehudion ka Raja(ユダヤの王)」という言葉と、テルグ語で「Nenu bhoomi meeda nundi paiketha badinappudu andarini naa yoddaku cherchukondu(私が天に昇るとき、すべての人々を私は共に召すだろう)」という言葉が刻まれ、新たに独立した国への敬意を表した。

大聖堂の100周年を記念して、テーランガーナー州知事と州首相も、クリスマスに訪問する。

本日最も読まれている記事
1. 日本人と顔立ちがよく似た「セブン・シスターズ」北東部の女性、人種差別に立ち上がる Posted on 18 Mar 2017
2. 購入後半年で故障したフォッシルのスマートウォッチを巡る、意外な顛末 Posted on 16 Sep 2019
3. インドで人気の日本アニメは、このタイトル Posted on 15 Jun 2023
4. インディラ・ガーンディー国際空港ターミナル3の様子、機内食、その他あれこれ:写真編 Posted on 13 Oct 2018

5. インド中華に迷いそうになったら、ハッカヌードル食べ比べはいかが Posted on 26 Oct 2017


本日の練習






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments

Leave a Comment..

Name * Email Id * Comment *