リライアンスが4G接続に対応した999ルピーの「スマートフォン」を発表
Posted on 05 Jul 2023 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
見た目は懐かしいフィーチャーフォンです。
巨大複合企業リライアンス(Reliance)グループのデジタル部門であるジオ・プラットフォーム(Jio Platforms)が、国内の特に農村部や地方都市で、回線スピードが遅過ぎて動画視聴の難しい2G接続しか利用できなかった層をメインターゲットにしたスマートフォン端末と、これに合わせた通信料金プランを発表した。
Ambani’s Jio unveils $12 4G phone with digital pay and streaming
「ジオ・バーラト(Jio Bharat)」と名付けられた同社製スマートフォンは4G対応で、UPI()によるモバイル決済機能や、ジオブランドのオンデマンドビデオおよび音楽ストリーミングサービスである「JioCinema」および「JioSaavn」へのアクセスなどといった最新機能を利用できるようになっている。
その他の技術仕様としては、メモリ容量48GBおよびmicroSDカードによるストレージの拡張、2インチディスプレイ、0.3VGAのカメラとなっている。
同社は「ジオ・バーラト」の製造に加え、デリーに本社のある「Karbonn」をはじめ他スマートフォンメーカーとも提携し、「ジオ・バーラト」で用いたプラットフォームを活用して価格を抑えると発表している。
リライアンスによると、ジオ・バーラトの価格は999ルピーで、端末の価格を含む料金面で4Gネットワークへの移行に踏み切れずにいた2億5,000万人の国内消費者向けに設計されている、と同社は述べている。
そのためジオ・バーラト購入者向けの特別な月額通信料金プランも用意、なんとわずか123ルピーで月14GBまでのデータ使用量と無制限の音声通話を提供する。
年間契約になるとさらに安くなり、年額わずか1,234ルピーだ。
リライアンスは、「ベータ試用期間」として今月7日から、消費者向けにジオ・バーラトの販売を開始するとしている。
リライアンスは2021年後半にも、米グーグル(Google)の協力を得て、「JioPhone Next」と名付けた低所得層向けスマートフォンを発表、しかし80ドル程度の端末価格により、普及は伸び悩んだ。
JPモルガンは次のように分析している。
「バールティ・エアテル(Bharti Airtel)2G料金を月額99ルピーから155ルピーに引き上げ、Viも値上げを行った中、ジオ・バーラトは2G市場を破壊し、リライアンスによる契約者シェア獲得に弾みをつける可能性がある。ジオはすでに、光ファイバー料金に加えて魅力的な後払いプランを用意することで、高級路線のシェアを広げつつある」
リライアンス・グループと言えば、路上生活も経験したことのある叩き上げ創業者ディルバーイ・アムバニ(Dhirubhai Ambani)氏が創業、誰もが買える金額で自社株を販売し、大衆の支持を得て急成長したリライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries)が前身であり、今回の「スマートフォンの民主化」とも言える発表は、そのDNAを受け継いでいるのだろうか。
参考作品: Guru (2007 film) - Wikipedia
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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