内陸部の貴重なタンパク源供給のため養殖業の起業に勤しむプネーの若者
Posted on 29 Dec 2022 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
マハーラーシュトラ州のみんな、もっとお魚食べようよ。写真は下町の美味シーフード、マセマリ(Masemari)のサバフライ(マサラ抜き)です。
プネーに、魚の養殖で年間850万ルピーを売り上げている若者がいることを知った。
しかも、学んだのは動画投稿サイトのYouTubeのポップアップ広告だというから、時代はすっかり変わったのだなと思い知らされている。
Pune Inc: Inspired by YouTube popup, fish culture startup now has annual turnover of Rs 85 lakh
その人の名はスーラジ・アプシンゲ(Suraj Apshinge)さん。
バイオフロック(biofloc)技術のパイオニアとして、ここ数年でマハーラーシュトラ州全土に400基の養殖用タンクを設置している。
「YouTubeを見ていたら、インドにバイオフロックの技術を導入するという広告が表示されたんです。この技術について読めば読むほど引き込まれ、もっと調べてみようと思ったのです」と語る。
バイオフロック技術とは簡単に言うと、管理された水槽を設置することで内陸部でも魚を養殖できる技術で、給餌を厳密に管理できるため、質の高い生産物の収穫につながるとされている。
アプシンゲさんが経営する「Yuva Company」は創業以来4年、この分野で着実な評判を上げており、州内外から水槽設置の注文を受けるようになった。
イスラエルで開発され、現在はインドネシアで広く受け入れられているこの技術が、インドではビハール州などごく限られた場所でしか利用できなかった時、訓練を受けることを決めたという。
研修後、最初に手がけたのは4万リットルの小規模なタンクの設置で試験的な養殖を開始、そこから現在の45万リットルのタンク設置にこぎつけるまでには、長い道のりを歩んできたと説明する。
具体的には当初、内水面漁業(inland fishing)の概念とタンクの普及させるのに苦労したという。
「魚は最も無駄のないクリーンなタンパク源であり、タンパク質の消費に対する意識が高まっている今、養殖は重要な役割を果たすことができます」、と語るアプシンゲさんは、バイオフロックによるタンクによって、農家が兼業として養殖も手掛けることで、副収入を得るための最適な方法になると指摘している。
アプシンゲさんのモデルは、養殖の規模を問わず応用できるため、故郷のカラド(Karad)で活魚の小売店を2店舗展開している。
「生きた魚を玄関先まで運ぶのに便利な冷蔵車もあります」
現在15人の従業員が働く同社は拡大路線にあり、カルナータカ州とオディシャ州でもプロジェクトを請け負っている。
また内陸部でエビなどの塩水性魚の養殖を行う契約農家を設立する計画も進行中という。
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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