ネットフリックスでアジアの屋台テーマの「Street Food」インド・デリー回を鑑賞
Posted on 10 Jun 2019 21:00 in エンターテインメント by Yoko Deshmukh
「ニハーリー」をプネーで食べられる店はどこだったかな。キャンプ(Camp)のティーランガー(Tiranga)だったかな。Photo from Netflix.
ネットフリックス(Netflix)日本版でも配信されている各回およそ30分のドキュメンタリー作品、「Street Food」は、日本(大阪)を含むアジア諸国で光る屋台経営者を取材し、その半生や提供している料理へのこだわりなどを紹介する、目と耳においしい番組だ。
Street Food - Netflix
細腕を華麗にしならせて、ミシュランの星を獲得するほどの技術を持ちながらコスパ抜群の海鮮料理を作り続けるタイ・バンコクの女性、パティシエを目指し渡米したが志半ばで帰国し、両親からプトゥ・ピリンという伝統のお菓子を売る店さんを継いだシンガポールの女性など、今すぐにその屋台に飛んで行って極上の一皿にありつきたくなるようなグルメ番組としてのみならず、同じ個人事業主として、生涯現役で生きていくための極意の一端も学ぶことができる。
この「Street Food」インド・デリー回では、地元では超有名というチャート(Chaat、プネーではSBDP)屋台を経営する男性を取り上げていた。
男性のヒンディー語での語りに合わせた軽快で雰囲気のあるインド伝統音楽をバックに、オールドデリーの街並みと、ムガル皇帝の宮廷料理人たちが発祥ととされる由緒ある屋台の料理を口いっぱいに頬張り楽しむ人々、炭火の上でこんがり焼けるジューシーなシーク・カバーブや、ぐつぐつ煮えたぎるニハーリー(Nihari)、熱々のチョレ・バトゥレ(ひよこ豆の煮込みと揚げたローティー)が大映しされ、一瞬でデリーへトリップできる。
時折、歴史家やデリーの屋台保存協会の女性たちによる英語の解説が挿入される。
映画を観ることが楽しみという、物静かな印象の店主の人生はしかし、そんじょそこらのボリウッド映画よりずっとドラマチックで、そうした波乱万丈を乗り越えてきたからこそ、「商売をすること」に対するシンプルな本質を突いた言葉には力がある。
そのデリーやインドでの食事、特に屋台の料理を「汚い」、「不衛生」、「危険」としか見られない人たちには、決してこのような素晴らしい出会いはないのだろうし、そんな残念とも言える感性しか持ち合わせない彼らの生涯は、しかし、そのままで終わるのだろう。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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