16年間、道路の穴を埋め続けたオートリクシャーワーラー:コーチ

 

Posted on 24 Aug 2017 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

こういう偉人がいきなり目の前に現れる、それもインドです。と、このような記事を毎日のように発信していても、読まれなければ届かないのですが。読んでもらえるように努力することも、わたしの責任ですね。



先月、ムンバイの劣悪な路面状態が、深刻な交通渋滞や交通事故の引き金になっているとして、泣く子も黙るシヴ・セーナー(Shiv Sena)が君臨する行政を批判する動画を出したラジオジョッキーの話を紹介した。
本日は「Manorama Online」が、ケーララ州の観光地としても名高いコーチで、路上に開いた危険な穴をひとつひとつ埋めて回って16年になるオートリクシャーワーラーを紹介していた。

Kochi Loves This Auto Driver - Who Has Been Filling Its Potholes for 16 Years! - Manorama Online

このオートリクシャーワーラー、クンバランギ(Kumbalangi Kadugamparambil Job)さんは、営業中に道路に開いた大穴をたびたび目撃していた。
オートリクシャーワーラー稼業に転職する前は、建設現場で働いていたこともあるクンバランギさん、居ても立っても居られないと、16年も前から、自前で調達したタールと砂利で埋め、最後に小石で覆って強度を増すという応急処置をして回るようになった。
その結果、コーチの道路ほぼすべてが、穴のないフラットで快適な路面になったと、住民たちに大層感謝されているという。

もともとクンバランギさんは、穴の開いたままで放置された危険な道路を見て見ぬふりができなかっただけで、こうした行動の見返りに何かを得ようとかいう計算はまったくなかった。
しかし地元の人たちは、この滅私の行為を見逃さなかった。

ある住民によると、かつてある幹線道路に巨大な穴が開いていたことがあり、クンバランギさんが現場に直行、徹夜で穴を修復していたことがあった。

近年、クンバランギさんの活動に賛同した建設業者が、タールや砂利などの資材を無償で分けてくれるようになったそうだ。

「彼がたった一人で、これだけの取り組みをしているのに、行政がいまだに何も手を打たないってのが、不思議でしょうがないねぇ」ある住民はぼやき、クンバランギさんの貢献は行政をはるかに超えるものだと称えている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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