「Business Standard」紙面版で、ことし51周年のトロント国際映画祭(Toronto International Film Festival、TIFF)で、インド作品が数点、上映されることを紹介する記事「TIFF gets ready for its next big scene」を見つけた。
同映画祭ではことしから、新たな試みをいくつか立ち上げる。
そのひとつが、映画業界の関係者が作品を売り込み、資金を調達したり、コンテンツを取得したりするための映画の売買市場プラットフォーム、「TIFF: The Market」だ。
「TIFF: The Market」責任者のCharles Tremblay氏によると、第1回となる今回は、80か国以上から、約1,000人のバイヤーも含む6,000人を超える関係者が参加した。
TIFFはアカデミー賞を占う非公式な試金石とみなされており、とりわけ作品賞について、その傾向が強い。
そうした中でTIFFは、英語以外の言語で制作された映画がアカデミー賞へ直接進むためのルートも提供する、世界でわずか6つの国際映画祭のひとつとしても数えられている。
英語以外の言語による映画が、TIFF唯一のコンペティション部門でワールドプレミアとして上映された場合、アカデミー賞国際長編映画賞を競うための資格を得る。
今年、TIFFからこのアカデミー賞へのルートを目指す作品が、ナガメーゼ語*とコニャック語*によるインド映画『Angh』だ。
2021年に受賞した同名の短編映画を長編作品へと発展させたTheja Rio監督は、次のように話す。
「先住民のコミュニティーは、これまで外部の人たちの視点から描かれることが多くありました。私は、自分たち自身の声で、自分たち自身の文化的な視点を通じて、自分たちの物語を語ることが重要だと常に感じてきました。TIFFのような場に参加することで、『Angh』は、多くの観客がこれまで出会ったことのないかもしれない世界を紹介する機会を得られます。作品が私たちのようなコミュニティーやTIFFを越えて広がっていくことができれば、この上ないことです」
主にマラヤーラム語で制作された多言語の吸血鬼映画『Half』のワールドプレミアについて、Midnight Madness部門のプログラマー、Peter Kuplowsky氏は興奮を隠さない。
「私は以前からインドのジャンル映画のファンで、インドのプロデューサーに、特にジャンル映画をTIFFへ持ってきてもらうことを特別な使命としてきました。こうした作品は通常、国際映画祭を経由せず、そのまま商業市場へ向かっていたからです」
『Half』のプロデューサー、Anne Sajeev氏は、「私たちは、マラヤーラム映画としては少し珍しいことに挑戦していると、ずっと分かっていました。ジャンル映画ではありますが、同時に非常に土地に根差した、個人的なものもあります。TIFFはもちろん夢の舞台でした。そしてMidnight Madnessは、大胆で型破りな映画を称え、それを心から受け入れる観客がいるので、特にふさわしいと感じました」と話す。
Samjad監督は、『Half』で本格的なアクションを作り上げるため、著名なインドネシア人アクション振付師Very Tri Yulisman氏を起用している。
今年のTIFFにおける、もうひとつのインドからの主要作品が、Karthik Subbaraj監督によるタミル映画『Dorothy』だ。
1990年代初頭のタミル・ナードゥ州の農村部を舞台としている。
TIFFではまた、インドのパラレル・シネマを代表した故John Abraham監督による1986年のマラヤーラム映画の名作『Amma Ariyan』の4K修復版も上映される。
インド系カナダ人の映画監督Richie Mehta氏は、『Phoolan』を携えてTIFFに戻ってくる。
この作品は、盗賊を追い詰めるため、インドの法執行機関が展開した48時間に及ぶ包囲作戦に焦点を当てる。
同じくインド系カナダ人の映画監督Roshan Sethi氏も今年、アカデミー賞受賞者Michelle Yeoh氏主演のアクション・スリラー『The Surgeon』とともにTIFFに参加する。
南アジアからはほかにも、バングラデシュのRubaiyat Hossain監督が『The Difficult Bride』でTIFFに戻ってくるほか、ネパールのAbinash Bikram Shah監督による『Elephants in the Fog』が、同映画祭で北米プレミアを迎える。
*ナガメーゼ語: インド北東部のナガランド州で広く使われている共通語。アッサム語を基盤とするクレオール言語。
*コニャック語: ナガランド州を中心に暮らすコニャック・ナガの人々が話す言語。

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