産油国ロシアがインドから石油製品を輸入する理由

 

Posted on 11 Sep 2026 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

大陸を縦断・横断する鉄道の旅と、いまの世界情勢との間の大きなギャップを思います。



鉄道旅気分を味わえることはもちろん、その内容の詳細さに感服し、よく動画を視聴している「YouTube」チャンネルがある。

Out of Bounds 界外 - YouTube

うちのひとつ、北京発ウランバートル経由ロシア行きの列車旅のもようを視聴しながら、「そういえばロシアって産油国なのに、なぜ燃料が高騰しているという報道があるんだろう」と疑問に思っていたところだった。
そんな中、「The Hindu」でロシアとインドとの間での原油と石油のやり取りについて、データとともに詳述した記事を見つけた。

Decoding Russia’s reliance on Indian petroleum products

ウクライナへの軍事侵攻を開始した2022年2月以来、ロシアは初めて、インドから大量の石油精製品を輸入するようになっている。

Press Trust of India(PTI)の報道を含む複数のメディア報道によると、インドの石油精製会社は過去2か月間に約100万バレルをロシアへ輸出した。
ロシアはトルコやモロッコからも輸入している。

これまでロシアによるインドからの石油製品の輸入はごくわずかで、インドの石油製品輸出全体の1%未満にとどまっていた。
輸出の大部分は、オランダ、オーストラリア、UAE(アラブ首長国連邦)などに向けられていた。

インド政府による過去2か月間の輸出入関連データはまだ公表されていないものの、複数の報道によって、インドからロシアへの石油精製品の輸出がこの2か月間で急増したことが確認されている。

これにより、両国間の石油貿易に存在していた大幅な不均衡は、わずかながら変化した。
一方、インドは引き続き原油をロシアに大きく依存している。

2022年1月以降、インドの石油輸入の4分の1をロシア産が占めている。
米トランプ政権が、ロシア産原油を購入していることを理由に2025年10月、インドに追加関税を課してから、インドはロシアからの原油輸入を大幅に削減したものの、その後まもなく輸入は本格的に再開した。

実際、今年2月に米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始した後、米国は従来の姿勢を一転させ、イランによるホルムズ海峡の封鎖の影響を緩和するため、ロシア産原油の市場への供給を暗黙のうちに促した。
2026年6月時点で、ロシアはインドの原油輸入のほぼ3分の1(31.6%)を占めていた。

インドが2026年6月にロシアから輸入した原油は5億3,100万ドル相当に上り、ロシアによるウクライナ侵攻の1か月前に当たる2022年1月の輸入額のおよそ2倍となった。

ウクライナがロシアの石油精製インフラへの攻撃を続ける中、ロシアのAlexander Novak副首相は7月、国内市場の安定化を図るため、石油製品の輸入を開始すると述べた。

International Strategic Action Network for Securityによると、ロシアでは少なくとも16カ所の異なる石油精製施設に対して17件の攻撃があった。
7月には、石油貯蔵施設や石油ポンプ施設を標的とした攻撃も8件あった。

8月に発生した同様の攻撃については、信頼できるデータがまだ得られていないものの、ほぼ同じペースで続いているとみられ、その結果、ガソリンとディーゼルの不足が生じている。

石油輸出国機構(Organization of the Petroleum Exporting Countries、OPEC)のデータによると、ロシアの製油所における原油処理量は、年初の2026年第1四半期(1~3月)の1日当たり約518万バレルから、第3四半期には約388万バレルまで減少した。

こうした攻撃は、ロシアからの原油輸出急増の一因にもなったとみられる。
計画外の製油所停止によって、より多くの原油が輸出市場へ振り向けられたためだ。

石油精製能力で世界第4位のインドは、ロシアで突然生じた需要を利用し、主に民間の製油所から石油精製品をロシアへ輸出している。

ロシアが石油精製能力を以前の水準まで回復させるのに要する時間を考慮すると、インドからの輸出増加は今後も続く可能性があり、今後数カ月間、インドの外貨に対する圧力の緩和につながるとみられる。
 

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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