インド証券取引委員会(Securities and Exchange Board of India、SEBI)が、AI(人工知能)技術を活用した監視の対象を、取引データから企業の提出書類へと拡大するという記事を、25日付けの「Business Standard」に見つけた。
SEBIは、人工知能(AI)を活用した監視の対象を、取引データから企業の提出書類へと拡大することを計画している。
既存の取引監視ツールと同様の専用AIモデルを導入するもので、投資家からの苦情を待つことなく、四半期決算における財務上の虚偽表示や操作を検出するのに役立つという。
規制当局が内部で開発したAIモデルはアラートを生成しており、取引関連の違反に対する法執行措置の大半は、このアラートに基づいて行われている。
一方、企業に対する調査は、依然として苦情をきっかけとするものが大半を占めている。
SEBIはこの課題に対応し、AIモデルの開発に取り組む専任チームを設置した。
SEBIの常勤委員(wholetime member)、Kamlesh Chandra Varshney氏が、インド商工会議所連合会(Federation of Indian Chambers of Commerce & Industry、FICCI)が最近開催した資本市場に関する会議で明らかにした。
このツールを利用することで、規制当局は四半期決算を追跡し、苦情を待つことなく、財務諸表の操作などの違反を特定できるようになると同氏は付け加えた。
規制分野の専門家によると、SEBIがAI活用へと軸足を移したことで、迅速な対応につながっている。
AIを活用して監視やアラートを強化する今回の計画は、SEBIがすでに導入している各種ツールを基盤としている。
これには、新規株式公開(IPO)や外国ポートフォリオ投資家(FPI)の登録承認を迅速化するものから、誤解を招くソーシャルメディア上のコンテンツに関するアラートまでが含まれる。
また、資産運用会社(AMCs)の広告をAIで審査する仕組みも導入されている。
規制当局はさらに、AIを活用した広告審査をAMCs以外にも拡大するとともに、MetaやGoogleへの働きかけを拡大し、不適切な販売(mis-selling)や詐欺的なコンテンツを検出することも計画している。
これらのツールとは別に、SEBIは調査部門向けにInfoMergeと呼ばれる内部アプリケーションも導入した。
これは、データ取得、分析、報告書作成などの調査業務を自動化し、案件の処理時間を短縮するものだ。
SEBIの年次報告書によると、このアプリケーションは、インサイダー取引禁止規則(Prohibition of Insider Trading Regulations)および詐欺的・不公正な取引慣行の禁止に関する規則(Prohibition of fraudulent and unfair trade practices Regulation)の違反事案の調査に利用されている。
この1年間には機能が強化され、KYC(顧客確認)および取引ログのデータセットを分析して不審なパターンを検出し、AIによる要約報告書を作成し、疑わしい関係性を可視化するとともに、召喚状や案件メモを自動生成できるようになった。
これにより、処理時間が大幅に短縮されている。
その他の主要な技術導入としては、ブローカーや預託機関参加者との間で、検査に関するデータやアラートを共有するためのクラウドベースのプラットフォームがある。
これにより、是正措置を迅速化することを目指している。
昨年、SEBIは「AIを活用した規制当局向け広告審査ツール(Regulatory (AI) Driven Advertisement Reviewer)」と呼ばれるR(AI)DARやProject Sudarsanなど、AIを活用したツールも導入した。
R(AI)DARは、誤解を招く表現がないか広告を審査するために利用されている。
一方、Sudarsanは詐欺の検出や、ソーシャルメディア上の動画およびコンテンツのスキャンに利用されている。
これまでに、リアルタイムで2万件を超える詐欺的なコンテンツを特定したという。
さらに規制当局は、Cyber-Sec Audit Complianceと呼ばれるAI対応プラットフォームも導入しており、規制対象事業者のサイバーセキュリティー監査を自動化している。
2025~26年度には、市場インフラ機関8団体と23の投資信託について報告書を処理した。

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