13年越しのグワハティ・メトロ構想、市内鉄道から広域交通へ

 

Posted on 13 Jul 2026 21:00 in アーカイブ特集 by Yoko Deshmukh

メトロはまだかもしれないけど、グワハティで最も印象に残ったのは、タクシーもオートリクシャーもEV化が進んでいること、そして大河ブラフマープトラの雄大さでした。



2013年7月、グワハティで「まもなくメトロ工事が着工される」と報じられた。

グワハティ・メトロがまもなく着工 Source:Press Trust of India 2013年7月12日

当時のタルン・ゴゴイ(Tarun Gogoi)州首相は、州政府が提出していたメトロ計画について中央政府の承認を得て、2億5,000万ルピーの予算が割り当てられたと発表した。

しかし、13年後の現在から振り返ると、この予算は建設工事の着手金ではなく、実現可能性調査を行うためのものだったことが分かる。
ゴゴイ州首相も当時、詳細事業報告書(Detailed Project Report、DPR)の作成に約1年、その後、第1期区間の完成までに5~6年かかるとの見通しを示していた。

なお、2013年の記事にある「概算総額140億ルピー」については、当時の英字報道では、総事業費は1万4,000 Crore Rupee、すなわち約1,400億ルピーと報じられており、1桁まちがえていた。

計画が具体的な形を見せたのは2016年だった。

インド国営コンサルタント会社RITESは同年1月、全体で約200キロに及ぶ実現可能性調査と、第1期61.4キロのDPRを完成させた。
第1期は、ダラプール―ナランギ、M・G・ロード―カーナーパラ、ジャルクバリ―カーナーパラ、ISBT―パルタン・バザールの4路線で構成される計画だった。

アッサム州政府はDPRと、事業を実施する特別目的会社「グワハティ・メトロ・レール・コーポレーション(GMRCL)」の設立を承認した。
第1期には54駅を設け、土地代を含む総事業費は1万8,020 Crore Rupee、約1,802億ルピーと見積もられた。
2016年2月29日には、ゴゴイ州首相による定礎式も行われた。

ところが、計画は本格的な建設工事には進まなかった。

2017年には、空港、北グワハティ、全インド医科大学院(AIIMS)、カーマーキャー寺院、主要鉄道駅などを第1期に組み込むため、DPRの作り直しが決まった。
さらに、中央政府が同年に導入した新たなメトロ鉄道政策により、包括的交通計画と、メトロ以外の交通手段を含めた代替案分析が必要となった。

グワハティ都市圏開発庁(Guwahati Metropolitan Development Authority、GMDA)の公式ページは、2026年6月の更新時点でも、この事業を「計画段階」と記している。
したがって、2013年に期待された市内メトロが本格施工へ移ったことは確認できない。

ただし、グワハティのメトロ構想そのものがなくなったわけではない。

アッサム州政府は2026年7月10日に発表した2026~27年度州予算で、計画中のグワハティ・リングロードの上部または沿線に、メトロを整備できるかどうかを調査する方針を明らかにした。

ヒマンタ・ビスワ・サルマ(Himanta Biswa Sarma)州首相によると、新構想はグワハティ市内の短距離移動を担う従来型メトロではない。
バイハタ・チャリアリ(Baihata Chariali)、シパージャル(Sipajhar)、空港などの周辺地域からグワハティへ移動する人々を対象とした、広域交通として検討されている。
州政府は、デリー・メトロの運営機関に事業報告書の作成を依頼する方針も示している。

つまり、2013年に構想された65キロの市内メトロが、そのまま再始動するわけではない。
現在検討されているのは、全長121キロのリングロードと一体化し、周辺地域とグワハティを結ぶ、新しい形の交通網である。
現段階では実現可能性調査を行う方針が示されたにすぎず、路線、駅、事業費、着工時期などは決まっていない。

一方、2013年の記事の最後でゴゴイ州首相が言及していた河川輸送については、「ウォーター・メトロ」という形で別の進展を見せている。

中央政府は2025年、グワハティを含む複数都市を対象に、コチのウォーター・メトロをモデルとした技術的実現可能性調査を承認した。
2026年5月には、全国展開の第1期対象都市にグワハティが含まれ、同市の実現可能性調査報告書がすでに受理されたことも発表された。
ただし、こちらも建設や運航開始が正式に決まった段階ではない。

2013年に「5~6年後の完成」が期待されたグワハティ・メトロは、13年を経ても実現していない。

しかし、その構想は、市内を走る従来型メトロから、リングロード沿いの広域メトロへ、そしてブラマプトラ川を活用するウォーター・メトロへと、異なる形に変わりながら検討され続けている。

参照: Assam Budget: Guwahati metro study planned along Ring Road, CM rules out city link(2026年7月10日付け)
 

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。\r\n\r\nASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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