デリー「AI Impact Summit」参加記
Posted on 20 Feb 2026 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh
肝心のイベント運営は「AI」に任せられないもんねぇ。
デリーで16日から20日まで開催された「AI Impact Summit」に参加する機会があった。
India AI Impact Summit 2026
わたしが会場を訪れたのは、開幕3日目にあたる18日である。
今回の参加は、たまたまシッダールタが入場券を入手してくれたこと、そしてプネーで日頃お世話になっている人工知能系企業「DeepTek」も出展していたことがきっかけだった。
イベント次第によれば、初日と2日目(16日・17日)のテーマは「国家戦略としてのAI」だった。
16日の開幕セッションでは、インドがAI分野で世界の先頭集団に立つという強いメッセージが発せられた。
報道によれば、ナレンドラ・モーディー(Narendra Modi)首相が「インドはAI変革の最前線に立っている」と述べ、技術革新と責任ある活用の両立を強調したという。
また、世界的なテクノロジーリーダーとして知られるサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏、サム・アルトマン(Sam Altman)氏の参加も注目を集めた。
両氏はそれぞれ、グローバルなAI開発の方向性や安全性、倫理、社会実装に関する視点を提示したと伝えられている。
さらに、マイクロソフト(Microsoft)創業者であり、ゲイツ・ファウンデーション(Gates Foundation)を率いるビル・ゲイツ(Bill Gates)氏の登壇も予定されていたが、直前でキャンセルになったとの情報が報じられた。
背景事情については「エプスタイン文書に記載のスキャンダルが理由」などの諸説があるが、詳細は公式発表以上のことは確認できていない。
ブラジルやフランスをはじめ、約20カ国のリーダーや代表団も参加し、サミットは単なる展示会を超えた「国際政策対話の場」としての性格も帯びていた。
16日からデリー入りしていたシッダールタたちの話によると、わたしが訪れた18日は暖かかった前日までとは打って変わっての寒冷な天候だった。
終始曇天の空、途中で降雨すらあり、長袖のニットでも肌寒く感じるほどで、現地の友人の言を借りれば、「きわめて季節外れ」の気候だった。
前日までいた東京の雨と寒気を持っていってしまったのかもしれない。
午前9時半ごろに会場入りした時点では混雑はなく、涼しい空気の中、広場に設けられたフードコートでコーヒーを飲みながら談笑する人々の姿も見られた。
会場はテーマごとにホールが分かれており、時間の経過とともに来場者は増加していった。
比例するように各社ブースは徐々に熱気を帯び、特にスタートアップエリアでは活発な議論が交わされていた。
知人の会社「DeepTek」のブースにもひっきりなしに訪問者があり、具体的なユースケースや社会実装の可能性をめぐる議論が続いていた。
少しでも足を止めると熱心に声をかけられ、インド各地の中小企業がAI分野で果敢に挑戦している姿は印象的であった。
さらに会場には、国別ブースを設けたホールもあった。
日本、イギリス、ドイツ、エストニア、ロシア、アフリカ各国などのブースが並ぶ中で、いわゆる「AI大国」とされる中国の公式出展が見当たらなかったことに、わたしは違和感を抱いた。
その後、ホテルに戻ってニュースを見ると、ある大学が自学のCentre of Excellence開発と説明して展示していたロボット犬が、市販の中国製製品であったことが発覚、大騒ぎとなっており、「こんな形で中国が参加しちゃって」との複雑な感情を覚えた。
午後は特定セッションで講演を聴く予定だったが、会場内は大混雑となり、館内への入場が困難な状態になっていた。
会場を離れようとしてもウーバー(Uber)がなかなかつかまらず、周辺道路には会場内に入ろうとする人々と、これから帰路につこうとする人々が溢れ、混乱の様相を呈していた。
夕方の報道やSNS投稿では、人流管理の不備に対する苦情が相次いでいたという。
AIの未来を語る場で、人の流れの最適化という課題が顕在化したことは、象徴的でもあった。
このサミットの国際的重みは疑いようがない。
しかし同時に、スタートアップの熱量、展示の真偽をめぐる議論、運営面の課題が存在した。
そのすべてが混在していた18日の体験は、インドAIの現在地を象徴しているように思えた。
次に求められるのは、その熱を持続可能な制度と実装へと昇華させる力だろう。
「AI Impact Summit」は来年、スイスのジュネーブで開催予定となっている。
日本ブースは、NTTデータのロボット犬と、富士通の超伝導モデルに、人が集まっていた。
※こんな感じのモデルが展示されていた。
BBCっぽいクルーがインド国策ブースの前にずっと貼り付いていた。
「DeepTek」のようなスタートアップは、ブースこそ最小限だったが熱気はマックスだった。
広大な会場。

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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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