記憶の中のミルフィーユ: デリーの「L'Opera」

 

Posted on 19 Feb 2026 21:00 in ASKSiddhi独断うまい店 by Yoko Deshmukh

ミルフィーユのおいしさは、さらにアップグレードしていました。人工知能もいいけど、おいしいお菓子作りは、人間にしかない能力だよね。



10年以上ぶりに、デリーの「L'Opera」を再訪した。
ここは、かつて「インドのお菓子はどれも激甘」という先入観を払拭したくて、数日かけて書いた「インドにある世界一うまいベーカリー」シリーズの中でも、真っ先に紹介した店だ。

あの日のデリーで出会った、世界一のミルフィーユ Posted on 09 Nov 2025

ASKSiddhi「世界一」シリーズ

なかでも、あのミルフィーユの衝撃はいまでもはっきり覚えている。
当時は、プネーには似たような店がほとんどなく、「全部持ち帰りたい」と本気で思ったほどだった。

それから年月が経ち、プネーにも洋菓子店やベーカリーはずいぶん増えた。

今回は、滞在先からほど近い「GK2」店を利用したのだが、確信を新たにした。
やっぱりL'Operaのお菓子は、今でも「別格」だ。

ショーケースには、Lemon Tart や Chocolate Square など、見た目にも美しいケーキがずらりと並ぶ。
持ち帰り用の焼き菓子も充実していて、つい予定以上に買いたくなる危険なラインナップだ。

この日はランチタイムに入店したので、まずは「Five Cheese Pizza」を一枚。そしてデザートに、「Opera」と、ずっと憧れていた「Mille Feuille」を注文した。
ミルフィーユは、記憶の引き出しにしまっていたものよりも、ひと回り大きく、しかもさらにサクサクに「アップグレード」されていた。
カスタードと生クリーム、そしてキャラメルのバランスは相変わらず完璧で、フォークを入れるとパイ生地がさっくり崩れる。
一方のOperaは、ほんのり効いたコーヒー風味のクリームが印象的で、甘さは控えめ。
重たさを感じさせず、最後まで気持ちよく食べられる一品だった。

ピザも予想以上によかった。
あつあつで、1人分にちょうどいい少し小ぶりなサイズ感。
当日はシッダールタと一緒だったが、おひとりでもケーキをしっかり楽しむ前提なら、このくらいがむしろうれしい。

近年は、デリーにもプネーにも、おしゃれなベーカリーやパティスリーが本当に増えた。
選択肢が増えたぶん、「ここでなければ」という店は、むしろ見つけにくくなっている気もする。

それでも、L'Operaでミルフィーユにフォークを入れた瞬間、10年以上前の記憶がすっと現在につながった。
味そのものよりも、「あの頃の驚き」がちゃんと更新されて残っていたことが、少しうれしかったのかもしれない。

流行や店の数が変わっても、ふとした再訪で「やっぱりここは特別だ」と思わせてくれる場所は、そう多くない。
デザートの余韻と一緒に、そんなことを考えながら、店を後にした。
 

Greater Kailash 2という地区にあるおしゃれエリア、「M Market」内にある。
古いショップハウス風の建物を改装した店舗が並ぶ。
お店から望む公園には、おサルもいて、ピクニック中のヒトの食べ物をおねだりしていた。
この日は、地元の方によると季節外れの、非常に涼しい風が吹いていた。
お菓子メニューがとても充実している。
店内には、商談中らしき人々がちらほら。


 

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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