ローイ氏、ガザ巡る発言に反発し映画祭欠席へ

 

Posted on 14 Feb 2026 21:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh

国内向けですら政治的発言に萎縮する芸術家らが少なくない中、国際舞台であろうが堂々と声なき声を主張するローイ氏です。



受賞歴のある作家アルンダティ・ローイ(Arundhati Roy)氏が、審査委員長のヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)氏の発言を受け、ベルリン国際映画祭への参加を辞退すると発表した。

Arundhati Roy withdraws from Berlin Film Festival amid Gaza row

発端は12日の記者会見でのヴェンダース氏の発言だった。
ガザ情勢やドイツのイスラエル支援について問われた同氏は、「政治の領域に踏み込むことはできない」と述べ、映画製作者を「政治のカウンターウェイト(政治に直接関与する存在ではなく、政治権力に対して距離を取りながら、別の視点や価値を提示することでバランスを保つ存在だ、という趣旨)」と表現した。

これに対しローイ氏は、AFPに送った声明で「衝撃を受け、憤慨している」と表明。
「芸術は政治的であってはならないと言うのを聞いて、言葉を失った」と述べ、「大変残念だが、ベルリン国際映画祭には出席できない」と参加辞退を明らかにした。

さらに声明の中で、イスラエルのガザでの行動を「イスラエル国家によるパレスチナ人のジェノサイド」と表現し、「現代の最も偉大とされる映画製作者や芸術家たちが立ち上がってそう言えないのであれば、歴史が彼らを裁くだろう」と述べた。

ローイ氏の経歴と今回の行動の意味

ローイ氏は1997年、長編小説『The God of Small Things』でブッカー賞を受賞し、国際的な評価を確立した作家である。
同作は世界的なベストセラーとなり、インド文学を代表する作品のひとつとされる。

その後もローイ氏は、小説やエッセイを通じて、核実験、経済格差、環境問題、カシミール問題など、政治的・社会的テーマについて積極的に発言してきた。
文学作品と社会的発言の両面で影響力を持つ存在である。

映画祭では、1989年のテレビ映画『In Which Annie Gives It Those Ones』のリマスター版が上映される予定だった。
同作でローイ氏は脚本と主演を務めている。

今回の辞退は、単なる抗議というよりも、「芸術と政治は切り離せない」という自身の立場を明確に示した行動といえる。
作家として、また公共的知識人として一貫して社会問題に向き合ってきた姿勢の延長線上にある決断とされている。
 

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

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