エア・インディア、新型ドリームライナーで示す「再出発」

 

Posted on 10 Feb 2026 21:00 in トラベル・インド by Yoko Deshmukh

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長年にわたり、整備基準の不均一さや機材の老朽化に起因する評価低下に悩まされてきたエア・インディア(Air India)が、明確な転換点を迎えている。
「The Hindu」に、ムンバイー・フランクフルト線に導入予定のボーイング787-9ドリームライナーでビジネスクラスをレビューした記事が載っていたので、抄訳している。

Inside Air India’s new Boeing Dreamliner

2022年1月、同社は約70年ぶりに国営から離れ、タタ・グループ傘下へと戻った。
そして今回、その刷新路線を象徴する存在として投入されたのが、新型のボーイング787-9ドリームライナーである。

この機体は、エア・インディアにとって初の本格的カスタマイズ機であり、民営化後の再構築フェーズの到来を告げるものだ。
新規就航したムンバイー・フランクフルト線は、そうした変化を体感できる路線として注目を集めている。

とりわけ注目されているのが、ビジネスクラスのキャビン設計である。
座席配置は1-2-1形式で、すべての座席が通路に直接アクセス可能だ。
各席にはスライド式のプライバシードアが設けられ、隣り合う座席をつなげることで「スイート」仕様にもできる。
読書灯には、インドの伝統的意匠であるジャリ(jali)デザインが取り入れられ、モダンな空間の中に文化的要素が静かに織り込まれている。

エア・インディアは、保有する旧型機も含め、全機を同一キャビン仕様へと段階的に改修する計画を掲げており、今回のドリームライナーはその基準モデルとも言える存在だ。

この機体での3月のムンバイー・フランクフルト往復ビジネスクラスの料金は約31.1万ルピー。
一方、同路線を運航するルフトハンザ航空は約35.6万ルピーとされている。
価格面でも一定の競争力を持たせつつ、体験価値での差別化を図ろうとする姿勢がうかがえる。

アメニティキットには、インドの高級アーユルヴェーダ系ブランドであるフォレスト・エッセンシャルズ(Forest Essentials)が採用された。
これは単なる付加価値ではなく、「インドらしいラグジュアリー」を前面に打ち出す象徴的な選択と言える。

「ラグジュアリー志向のインド人旅行者が、外国の航空会社ではなくエア・インディアを選ぶ理由が生まれた」。
そう評価する声がある一方で、同社が長年背負ってきた「壊れた座席」「機能しないスクリーン」といった根強いステレオタイプを、今後どこまで払拭できるかが問われる。

新型ドリームライナーは、確かに方向転換を示す明確なサインである。
この一機が「例外」に終わるのか、それとも「新しい標準」となるのか。
エア・インディアの再生は、これからが正念場である。
 

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

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