南インド初のクラフト・ブルワリーが挑む「ラガー回帰」
Posted on 13 Sep 2025 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
記事中にもあるけど、インドの大都市では帰り道の渋滞などを嫌っての「宅飲み」文化が日本よりもひそかに盛り上がっているかもしれないね。
バンガロールを拠点とする醸造所「Geist Brewing Co.」が、「限りなくクラフト的なラガービール」を発売した。
What is a craft lager? We find out with the new launch by Geist Brewing Co.
同社はウィットビール(Witbier、ベルギー発祥の小麦ビール。コリアンダーやオレンジピールなどのスパイスを加えることが多く、淡い色合いとフルーティーで爽やかな香りが特徴)、バイエルン・ダークビール(Bavarian Dark Beer/Dunkelなど、ドイツ・バイエルン地方の伝統的なダークラガー。麦芽の香ばしさとカラメルのような甘みがあり、深い色合いとまろやかな口当たりが特徴)、アメリカンIPA(アメリカで発展したインディア・ペールエール。大量のホップを使うため、強い苦味と柑橘系やトロピカルな香りが際立つ。アルコール度数もやや高め)、ベルジャン・ブロンドエール(Belgian Blonde Ale、ベルギーの淡色エール。黄金色でクリーミーな泡立ち、軽やかな甘みとほのかなスパイシーさがあり、飲みやすくも複雑な味わい)など、幅広い商品ラインナップを展開しているが、新発売の「Geist Repeat Strong」は、モルト、ホップ、そして後味のバランスが取れた、すっきりとしたラガースタイルのビールに仕上がっている。
「南インド初の流通型クラフト・ブルワリー」と自称するのは、同社の創業者兼CEO、ナラヤン・マネパリー氏である。2010年、カルナータカ州政府がマイクロ・ブルワリーの設立を認める法律を制定したことをきっかけに起業した。
「ビールは大好きだが、(バンガロール名物の深刻な)渋滞を気にして飲みたくない」という声を受け、2016年には工業醸造免許を取得。「Geist Witty Wit」(ベルギースタイルのウィートエール)、「Geist Uncle Dunkel」(ドイツスタイルのダークウィートビール)、「Geist Kamacitra」(IPA)といった缶ビールを発売し、国内市場で大ヒットとなった。
エールとラガーの違いについてナラヤン氏は「ラガー酵母とエール酵母という2種類の酵母を使用している点にある」と説明する。ラガーは通常15~17度という低温で長期間発酵される。一方、エールは21度で約14日間発酵される。「つまり、エールは発酵が速く口当たりが滑らかで、ラガーはよりキリッとしていてドライな味わい」と語る。インドでは一般的に、ラガーといえば大麦ベースのビールを指す。
ナラヤン氏によれば「世界的にラガーへの回帰、いわば原点回帰のトレンドがある」という。
「Geist Repeat Strong」はIBU18、アルコール度数は8%未満。同社のラガーはすべてモルトラガーで、伝統的な醸造法を用いている。醸造中に他の酵素を一切加えず、「ラガー本来の醸造方法にこだわった」と強調する。2年をかけて開発し、クラフトビールのようなラガーを完成させた。
カルナータカ州内で500ml缶が210ルピーで販売されており、近日中に他州でも販売される予定である。
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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