ポンディシェリ到着記: 南インドに残るフランスの面影

 

Posted on 11 Jul 2025 21:00 in トラベルASKSiddhi by Yoko Deshmukh

堂々と英語で会話できるところも助かるんだよね。



チェンナイでの滞在を経て、本日ポンディシェリに移動してきた。

ポンディシェリは、インド南東部のベンガル湾に面した連邦直轄地の一部で、かつてフランス領だった歴史を色濃く残す港町である。
フランス統治時代の建築や街並み、文化が現在も随所に残っており、南インドとヨーロッパの文化が融合する独特の雰囲気を持つ観光地として知られている。

出典: ポンディシェリ - Wikipedia

初めて訪れる町の第一印象――と言っても、到着してすぐのAirbnb(エアビーアンドビー)オーナーとの会話内容が中心である。
タミル・ナードゥ州も雨季に入ったこの時期は蒸し暑く、どちらかというとオフシーズンのようだ。

今回もAirbnbを予約したものの、実はインドでは初めて利用する。
 

画像はAirbnb公式写真より


なお、先月タイのチェンマイで泊まったAirbnb物件や、数年前にマレーシアのペナン島で利用した物件は、チェックインもなにもかもオートで、ホストとはメッセージやり取りのみ。直接会うことは、ただの一度もなかった。

しかし、こちらの物件は、チェンナイからチャーターしたウーバー(Uber)で到着した我々をホストがじきじきに待っていてくれ、これから宿泊する室内を案内してくださり、また町のことを、歴史を含めあれこれ説明してくださり、かえって新鮮だった。

ホストのShankar氏は、ポンディシェリのフランス総領事館で22年働いていた経歴の持ち主。
現在はオーロビル(Auroville)内のインターナショナルスクールにて、ボランティアでフランス語教師をされているそうだ。
ちなみにこの学校、学生が教師を選ぶスタイルで、場合によっては誰ひとりとして生徒に選ばれないこともある過酷な環境らしい。

1BHKに広めのテラスつきの、大変きれいな物件で、自分の家のように快適に過ごさせていただいている。
Shankar氏は実際にはオリッサ州ご出身で、仕事を求めてポンディシェリにやって来た。
この地でフランス語を勉強し、パリやアルジェリアで働いたことがあるという。

西ベンガル州にもチャンダルプルというフランス領の土地があり、その独立に、第二次大戦当時日本に滞在していたラビンドラナート・タゴールも関わっていた話。
穏やかなポンディシェリの人びととは対照的に、血気盛んなチャンダルプルの人びとは、イギリス統治に抵抗したベンガルの人びとにならって「われわれもフランスから独立する」と蜂起。恐れをなした宗主国が早々に手放した、という話。

そして、同じインドにおける植民地統治でも、イギリスとフランスではそのアプローチに大きな差があったという話。
具体的には、イギリスはインドを植民地にしたが、インド人を「イギリス人」とみなすことは決してなかった。
一方、フランスは植民地の人びとも「フランス人」として扱ったため、ポンディシェリ独立時に住民が好きな国籍を選べた。
つまり、フランス国籍を選んだ人びとにはフランスへの「帰国」が認められたが、ほとんどの人はそのためのお金も資源もなかったから、インド国籍を選びこの地に留まった。

このほか、ご自身が関わっているオーロビルの歴史や内部のこと、そしておすすめのレストランやカフェの情報など、アポイントメントの時間を気にしながら存分に語ってくださり、初日にしてたくさんの有益な情報を得ることができた。
ポンディシェリを訪れる予定のある方には、こちらの物件を自信を持っておすすめしたい。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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