ムンバイー空港は16日、「Indo Thai Airport Services（IDS）」が同空港の地上業務を3か月間、実施すると発表した。

Mumbai airport ropes in Indo Thai Airport Services for ground handling works

この発表は、インド政府が国家安全保障上の理由からトルコ企業「Çelebi NAS」の保安認可を取り消したことを受け、同空港およびアーメダーバード空港を運営する「Adani Airport Holdings Limited」が同社との契約を解除した翌日に行われたものである。

同社傘下のムンバイー国際空港株式会社（Mumbai International Airport Limited、MIAL）は声明で、「Indo Thai Airport Services」が今後3か月間、同空港の暫定的な地上業務提供者に任命され、即時発効すると発表した。現在、「Indo Thai Airport Services」は国内9空港で稼動している。

MIALは今後3日以内に、長期的な地上ハンドリングパートナーの選定に向けた提案依頼書（RFP）プロセスを開始し、今後3か月以内に選定される予定である。

インド空港におけるトルコ企業「Çelebi NAS」のセキュリティ問題の概要（2025年5月）
「Çelebi NAS」はトルコとクウェートの合弁会社であり、ムンバイー、デリー、バンガロール、ハイダラーバードなどの国内主要空港で地上ハンドリング業務を実施してきたが、インド政府（民間航空保安局、BCAS）は2025年5月15日、国家安全保障上の懸念を理由に、同社の保安クリアランスを取り消した。

主な背景:
取り消しの背景には、インドとパキスタン間の緊張の高まりがあり、トルコがパキスタン支持の姿勢を取ったことが影響している。トルコ製のドローンがパキスタンに供与され、インドとの衝突に使用されたとされており、インド政府はこれを安全保障上の脅威と見なしたと報道されている。

Çelebi社の対応:
同社は5月16日、デリー高等裁判所に提訴し、クリアランス取り消しの根拠が不明瞭であると主張した。また、株主の一部がトルコ出身であるものの、グループの実質的な支配権はトルコ国外の企業にあるとして、国家安全保障との関連性はないと強調した。

空港運営への影響:
ムンバイー国際空港は、サービスの継続性を確保するために「Indo Thai Airport Services」を臨時の地上業務事業者として任命した。同社は「Çelebi」の機材をリースし、従業員の受け入れを行うことで、空港業務の中断を回避した。

参考記事:
[Reuters] Turkey's Celebi sues India over 'vague' clearance pullback amid Pakistan conflict
[India Times] India cancels Celebi airport services' security clearance after Turkey backs Pakistan in Operation Sindoor
[Times of India] Mumbai airport appoints interim ground handler after security clearance revoked for Celebi

「Indo Thai Airport Management Services Pvt. Ltd.」は、インドの主要空港で地上支援業務を提供する民間企業である。2008年に設立され、コルカタを本社とし、空港当局（AAI）とのコンセッション契約に基づき、国内外の航空会社に包括的な地上支援サービスを提供している。