YouTubeのニール・モハン（Neal Mohan）最高経営責任者（CEO）は1日、インドで85億ルピーを新たに投資し、国内のクリエイター経済を加速させると発表した。

WAVES 2025: YouTube to invest ₹850 crore in India’s creator economy

5月1日から4日まで、ムンバーのBKCにある「ジオ・ワールド・コンベンションセンター（Jio World Convention Centre）」で開催された、初の国際的なメディア・エンターテインメントサミット、「WAVES 2025（World Audio Visual & Entertainment Summit 2025）」に登壇したモハン氏は、インドには100万人以上の登録者数を擁するYouTubeチャンネルが1万5,000件以上あると述べた。

インド政府が主催する「WAVES」とは、同国を世界的なクリエイティブ産業の中心地として位置づけることを目的としている。

モハン氏はYouTubeがインド発のストーリーを世界に発信する上で重要な役割を果たしているとアピール、「音楽と映画で世界をリードしてきたインドは、今やクリエイター大国でもあります」と述べた。

同じく世界的なクリエイターであるマーク・ローバー（Mark Rober）氏とガウタミ・カワレ（Gautami Kawale）氏もイベントに参加した。
カワレ氏は地域に根ざしたインドのコンテンツが持つ普遍的な魅力について、ローバー氏はAIを活用した吹き替えとローカリゼーションによる、STEMコンテンツの国境を越える力について語った。

またAdobeのシャンタヌ・ナラヤン（Shantanu Narayen）CEOは同社の「Firefly AI」モデルを紹介しながら、インドが「デジタルツールと生成AIによって支えられた、世界的な創造性の中心地」として台頭しているとし、1億人を超えるコンテンツクリエイターと5億人のOTT消費者を擁する中国と並ぶ、「世界の次世代クリエイティブ大国」と評価した。

WAVESとは: 
多様な分野を網羅: AVGC-XR（アニメーション、ビジュアルエフェクト、ゲーム、コミック、拡張現実）、インフォテインメント、デジタルメディア、映画産業など、幅広い分野に焦点を当てた42の全体会議、39のテーマ別パネル、32のマスタークラスが実施された。
大規模な参加者数: 10,000人以上の参加者、1,000人以上のクリエイター、300社以上の企業、350社以上のスタートアップが集結し、業界の最新動向や技術革新について議論が交わされた。
政府の支援と発表: インドの鉄道・通信・IT大臣であるアシュウィニ・ヴァイシュナウ（Ashwini Vaishnav）氏は、ムンバイーに国内初のクリエイティブ・テクノロジー・インスティテュートを設立する計画を発表した。この施設は、Google、Meta、Microsoft、Apple、Adobe、NVIDIAなどのテクノロジー大手企業の支援を受け、アニメーション、ビデオゲーム、視覚効果、拡張現実（XR）などのトレーニングを提供する予定。
「Create in India」イニシアチブ: 「Reel Making Challenge」などのコンテストを通じて、インド国内外のクリエイターを支援し、同国のデジタルクリエイター経済の成長を促進している。

同サミットは、インドのメディア・エンターテインメント産業を世界に発信し、国際的なパートナーシップを強化する場として醸成し、またインドの文化的多様性と技術革新を融合させ、世界のクリエイティブ産業におけるリーダーシップを確立することを目指している。

出典: 
WAVES 2025 kicks off in Mumbai, showcasing India’s rising creative economy - DailyNewsHungary