世界最大規模の無料食堂が、有機農法の食材のみ使用へ:黄金寺院

 

Posted on 15 Mar 2016 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

1日に10万人という気も遠くなるような人数の巡礼者たちに食事を提供しているだけでもすごいのに、さらに食の安全を考えた新たな試みが始まろうとしています。



*Harimandir Sahib, the photo from a copyright-free space

パンジャーブ州アムリトサルにある、スィーク(Sikh)教徒の総本山、黄金寺院(Golden Temple:हरिमंदिर साहिब)では、世界最大規模の無料の食事を振る舞うことで有名だが、まもなくここで提供される食事で使用する材料に、寺院で一切の化学物質を使用せず有機農法により栽培した果物や野菜のみを使用することを決定した。
The Better Indiaが伝えた。

The Golden Temple’s Community Kitchen Goes Organic, Grows Its Own Vegetables without Pesticides

パンジャーブ、ハリヤナ、ヒマーチャル・プラデーシュの3州でスィーク教徒の巡礼地(गुरुद्वारा)を管理する宗教機関、「Shiromani Gurdwara Parbandhak Committee」が決定した。
同機関の主導の下、パンジャーブ州グルサール・サトラニ(Gurdwara Gurusar Satlani)とパティアラ(Patiala)で、有機農法による人参やキャベツ、ホウレン草、メティ(フェヌグリークの種子と葉)をはじめとする野菜や果物の栽培が行われ、1、2日に1トンのペースで出荷されている。
また同機関では、周辺の農家にも有機農法を奨励している。

パンジャーブ州農業公社(Punjab Agro Industries Corportation Limited:PAIC)が、土壌のテストと有機農業可否の判断を担当、肥料としてニームの葉、牛の尿、また変わりどころではラッシー(自家製ヨーグルト飲料)などを奨励している。

黄金寺院でランガル(लंगर)と呼ばれる無料食堂は、宗教やカーストなどの差別なく、誰にでも食事を提供することを目的として運営されており、1日に10万人近く訪れる巡礼者のために、ローティ(平焼きパン)20万枚分に相当する7,000キロの小麦粉のほか、1,200キロのコメと1,300キロのダール(スープ用の豆)を消費する。
調理場には450名の専属調理師のほか、無数のボランティアが立ち働いている。

黄金寺院での成功を見届けて、別の巡礼地でも有機農法食材の普及を目指すとしている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments