プネーで創業140年あまり、時代に左右されないパールスィー料理店

 

Posted on 22 Feb 2023 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

いまは貴重な遺産とも言える存在で、これからも末永く続いて欲しいです。



「Indian Express」の「Know Your City」シリーズの記事に、創業1878年のパールスィー経営レストラン、「Dorabjee and Sons」が紹介されており、感慨深く読んだ。

Know Your City: Pune restaurant with same menu since 1878 is defying rules of commerce to feed loyal clientele

Dorabjee & Sons, Camp Area order online - Zomato



 

現経営者のダリウス・ドラブジー(Darius Dorabjee)氏いわく、代々受け継いできた「古き良き時代の価値観」を大切に、チェーン経営をしない方針で、昔ながらの顧客が高齢になっても定番メニューを注文しにやってくるか、「Zomato」などのアプリはおろかスマートフォンすら持たない常連のため、ツケ払いで食事を届けている。

このレストランは1878年、ダリウス氏の曽祖父にあたるソーラブジー・ドラブジー(Sorabjee Dorabjee)氏によって、パールスィー教徒の信条である融和(amalgamation)の伝統により、当時「インド人禁止」の店が多かったプネーで、イギリス人もインド人も平等に利用できる場所としてオープンした。

ソーラブジー氏はグジャーラート州ナウサリ(Navsari)の農家に生を受け、より良い生計を立てるために兄とともにプネーへやってきた。
当時入手しにくかったパールスィーの儀式や風習に必要な物品や、プネー駅と競馬場を往復するタンガワーラー(二輪馬車の運転手)にチャーイを販売するかたわら、パールスィー料理を提供し始めたのがはじまりとされている。

現在の客数は平日で300~400人程度で、「お客さんとの会話を楽しみたいから、テーブル当たりの収益とかチェーン進出を考えない」というダリウス氏の言葉。
ビジネスにもさまざまな形があるんだな。

ケータリング事業も行っており、特にコロナ禍には注文件数が4倍に増加した。

1970年代から80年代にかけては、プネーに留学に来ていたイラン人学生でにぎわっており、月末や月初にツケ払いを受け付けていた。
現在、世界中で活躍する実業家となった当時の学生たちが、たびたび再訪するという。

1940年からの往年のメニューが保管されている店内の写真を眺めていたら、また行きたくなった。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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