遠く離れた異国アイルランドで社会起業家を目指す人

 

Posted on 07 Dec 2022 21:00 in 海外のインド人 by Yoko Deshmukh

行動を起こせる人を、心から尊敬します。



「The Better India」で、世界でも物価が高いとされるアイルランドのダブリン(Dublin)で、食費の高騰に苦しむ人々のためにインド料理を届けるサービスを運営する2人の若者を紹介していた。

Desi Dabba in Dublin: NRIs Bring Authentic Indian Food to Ireland With Tiffin Service

クラウドキッチン「O'Desi Meals」を運営するのは、コルカタ出身でダブリン在住17年になる会社員、アヌバウ・ダッタ(Anubhav Dutta)さんだ。

さかのぼること2015年のクリスマスイブ、町中の店が休業する中、寒風の中をピザを買いに出たアヌバウさんは、帰り道で同じように腹を空かせたように見えるホームレスを見かけ、自分のピザを分けたことが、人生を変えるきっかけになったという。

「その日はそれから数時間、ピザを買ってはホームレスの人々に届けることを繰り返したのです。この小さな行動を『マイ・クリスマス・プロジェクト』と呼ぶことにしました」とアヌバウさんは言う。

ただしこの行動こそ崇高なものではあるが、自腹で数千ユーロもの出費が必要であることを意味する。
そこでアヌバウさんは、資金調達のためのアイデアを考え始めた。

「当時、ダブリンでまともな食事を見つけるのは難しかったんです。一方でインド人移住者も徐々に増え始めており、文化のるつぼという意味で次のロンドンになるのではと予想、クラウドキッチンを始める余地があると判断したんです」

2019年、ダブリンのクリケット・クラブのメンバーにビルヤーニーを作った経験があった、友人のシッダールタ・パテル(Siddharth Patel)さんを共同設立者に、「O’Desi Meals」を立ち上げた。
注文は毎月(26食)プラン(1食あたり10.50ユーロ)と毎週(6食)プラン(1食あたり10.99ユーロ)を選ぶことができる。
もちろん1食10.99ユーロから注文することも可能だ。

アヌバウさんはこの配食ベンチャーが軌道に乗り次第、「クリスマス・プロジェクト」の実現という当初の夢を叶えたいと、社会的価値観を反映したベンチャー企業を目指している。
その社会貢献への関心は高く、今年7月には社会起業家養成のエグゼクティブMBAを取得、「ベンチャー企業を経営するだけでなく、社会に貢献できるような仕事がしたいんです。充実感があります。ベンチャーの利益は一切取らず、私の取り分は現在、インドの慈善団体やNGOに寄付しています」と語る。

「私にとっては最初から、自分の特権を使って、それを必要とする人たちに手を差し伸べることが目的でしたから」とアヌバウさんは語っている。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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