肥満児から金メダリストへ、槍投げチョープラーさんの軌跡
Posted on 08 Aug 2021 21:00 in インドスポーツ by Yoko Deshmukh
BGM代わりにオリンピックをチラ見しながら「この人々はそれぞれ、なぜそのスポーツに全力を捧げることにしたのかな」という純粋な好奇心が湧き起こっていました。
8日までの日程で開催された東京オリンピックで7日、陸上競技の槍投げ(Javelin Throw)決勝で見事、金メダルを獲得した23歳のアスリート、ニーラジ・チョープラー(Neeraj Chopra)さん。
陸上競技でインドがメダルを獲得すること自体が史上初だったこともあり、国内メディアも湧いているが、そもそもニーラジさんが槍投げを始めた動機がおもしろいものだった。
「The Better India」が競技前にニーラジさんに行ったインタビュー記事を、シッダールタが見つけてくれた。
Neeraj Chopra: Haryana Kid Battles Obesity To Become India’s Finest Javelin Thrower
個人としての金メダルは、2008年のアビナウ・ビンドラ(Abhinav Bindra)さん(競技)以来の2度目。
ニーラジさんはハリヤーナー州パーニーパット(Panipat)県のカーンドラ(Khandra)という村で、16人家族が生計を分かち合うつましい農家に生まれた。
槍投げを始めたきっかけは、運動嫌いだった子供時代にさかのぼる。
12歳にして体重90キロの超肥満児だったニーラジさんは、家族のすすめで嫌々スポーツジムに通い始めることになった。
しかし、それが運命を変える大きなきっかけとなるなど、当時は誰も予測できなかっただろう。
ある朝、スタジアムでのジョギング中に、槍投げ選手のジャーイ・チャウダリー(Jai Choudhary)氏に偶然、出会ったことが、その後の人生を変えた。
ジャーイ氏は、「India Times」からのインタビューの中で、次のように回想している。
「ある晩、ニーラジに槍を投げてみるように勧めると、35~40メートルほどを軽々と飛ばした。これは初めての人にとってはかなりすごい記録だ。フォームも美しく、当時、彼はかなりの肥満児だったが、身体は極めて柔軟だった。」
それから数年後の2016年、ニーラジさんはポーランドのブィドゴシュチュ(Bydgoszcz)で開催された世界U20選手権(World U20 Championships)で世界記録を更新した。
2021年、パンジャーブ州パティアラ(Patiala)の「National Institute of Sports(NIS)」で開催されたインド版国体とも言える「Indian Grand Prix 3」で88.07メートルという国内最長記録を達成し、東京オリンピックに臨んだ。
なおニーラジさんは、2017年オリッサ州ブバネシュワルで開催されたアジア陸上競技選手権(Asian Athletic Championships)、2018年オーストラリア・ゴールドコーストで開催されたコモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games)、および同年インドネシア・ジャカルタで開催されたアジア競技大会(Asian Games)でも金メダルを獲得している。
「Indian Express」紙へのインタビューに対し、ニーラジさんは「誰もが常にメダルのことばかり考えているが、私はひたすら完璧な投てきだけを目指してやっている。それさえできれば、メダルも含めてすべてはボーナスとして受け取っている」と語っている。
今回の偉業を達成するまでの間、「多くの人々の支えがあった」と話すニーラジさんは、優れたスポーツ選手の発掘と育成を目的とするインドの団体「JSW Sports Excellence Program」で選抜され、同団体がカルナータカ州ヴィジャヤナガル(Vijayanagar)に所有するオリンピックトレーニングセンター(Olympic Training Centre)でオーストラリア人コーチ、ゲリー・カルバート(Garry Calvert)氏の下でトレーニングを受けた。
「尊敬するコーチ、どんなことでも一生懸命に支えてくれた両親をはじめ、周囲の人々の協力が原動力となった」と話している。
今回がオリンピックは初出場だったニーラジさんは、決勝の前に「First Post」紙の取材に対し、「ウォームアップの時はあまりよくなかったが、予選では完璧な角度で投げることができて、とても気分がいい」と述べていた。
Neeraj Chopra(@neeraj____chopra) • Instagram写真と動画
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なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。
=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※7月17日付けのメール、件名「海外在留邦人向けワクチン接種事業:接種までの流れ」
●日本に一時帰国してワクチン接種を行うことを希望する方々を対象としてワクチン接種の予約受付を7月19日から開始します。
●インドを含む指定宿泊施設での10日間の待機が必要とされる国・地域からの入国者に対しては、医師等が週に2日(月曜日及び金曜日)宿泊施設を巡回し、接種希望者に対して接種を行うこととなります。
1 7月19日正午(日本時間)から、在留先でのワクチン接種に懸念等を有する海外在留邦人等を対象とした新型コロナ・ワクチン接種事業のインターネット予約受付を開始します。本事業での接種を希望される方は、特設サイトを通じて事前の予約をお願いします。
なお、特設サイトへのリンクは、予約受付の開始と同時に外務省海外安全HP(https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/vaccine.html)に掲載いたしますので、そちらを御確認ください。
2 インドを含む指定宿泊施設での10日間の待機が必要とされる国・地域からの入国者に対しては、医師等が週に2日(月曜日及び金曜日)宿泊施設を巡回し、接種希望者に対して接種を行うこととなりますので、「巡回接種予約枠」で予約を行ってください。(巡回接種枠を予約できなかった方及び待機期間後に接種を希望される方は空港の接種会場で接種いただきます)。
(ご参考:接種までの流れ)
https://www.mumbai.in.emb-japan.go.jp/files/100213787.pdf
【問い合わせ先】
在ムンバイ日本国総領事館・領事班
電話(91-22)2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp
=== 転載終わり ==
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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