「政府に財政的支援とローカル列車利用許可を」ムンバイーのダッバーワーラーたちの悲痛な訴え
Posted on 28 May 2021 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
一番大切な人たちが、一番苦しんでいます。
新型コロナウイルス感染症の猛威と、その対策として繰り返されるロックダウンは、100年以上続くムンバイーの生命線とも言える弁当配達人たち、ダッバー・ワーラー(Dabbawala)たちをも苦境に陥れている。
むしろ、もっとも深刻な影響を受けている人々であると言える。
「Live Mint」電子版が伝えていた。
The anguish of Mumbai's dabbawalas
コロナ前はおよそ5,000人のダッバーワーラーたちが、各家庭とオフィスとを結ぶ複雑な配達網で、驚異的に無駄のない移動をすることにより、弁当箱を間違いなく配達していた。
しかし現在、ダッバーワーラーたちの事業の95%は閉鎖、稼働中なのは350人のみだ。
というのもダッバーワーラーたちの配達の要である、広いムンバイーを南北に結ぶローカル列車での移動が、感染拡大防止の観点から許可されておらず、そうなると自転車で1日40~45キロもの距離を移動することはほぼ不可能であり、多くの人が収入が減ったことから別の仕事をせざるを得ない状況となっている。
ダッバーワーラーたちのスポークスマンであるヴィシュヌ・カルドケ(Vishnu Kaldoke)氏によれば、政府に支援が求めているものの、未だ何らの救済も受けていないと述べ、「みんなが新型コロナウイルス感染症の蔓延を防ぐための規則に従ってこれまで耐えてきた。今、我々は緊急の財政的支援を必要としている」と切実に訴えている。
カルドケ氏自身も、このままでは家族を養っていけるかどうか、特に子供たちへの教育費を調達し続けられるか、不安を抱えている。
「この困難な時、我々を助けてくれたムンバイカー(ムンバイーっ子)にはとても感謝している。しかし政府からの財政支援と、ローカル列車の利用許可が今、最も必要だ」と主張する。
マハーラーシュトラ州では、4月に新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数が激増し、これまで1か月以上にわたり市民らに「厳格な制限」を課している。
ショッピングモール、映画館、劇場、講堂、遊園地、ジム、スポーツ施設を含む、あらゆる施設、公共の場所や活動を禁止し、生活必需品のみの売買が許可されている。
ローカル列車の利用を許可されているのは、エッセンシャルワーカーやホテル、レストランの従業員のみに限定されている。
そうした厳しい措置が奏功し、新規感染者数は5月中旬から減少傾向に転じているものの、27日水曜日には州内で新規感染者数2万4,136人、601人の死亡者が報告され、闘病中の患者数は31万4,368人、退院者数は3万6,176人となっている。
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なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。
=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※5月27日付けのメール、件名「新型コロナウイルス・ワクチン(在留邦人の一時帰国時のワクチン接種に係る意向調査について)」
●日本政府は,日本に一時帰国する方々を対象としたワクチン接種事業を準備中です。
●この一環としておおよその利用希望者数を把握するため,アンケートの実施にご協力ください(6月6日(日)までに回答)。
1 日本政府は現在,海外在留邦人の方々で,在留先での新型コロナウイルスのワクチン接種に懸念等を有し,日本に一時帰国してワクチン接種を行うことを希望する方々を対象としたワクチン接種事業を,今夏以降,成田空港及び羽田空港又はその周辺で実施する方向で準備を進めています。
2 事業の詳細は調整中ですが,適切な体制を整える準備の一環としておおよその利用希望者数を把握するため,以下のリンクを通じて,アンケートの実施にご協力ください(所要時間1分程度)。お一人様1回,6月6日(日)までに回答いただけますと幸いです。フォーム上最後のページで「送信」を押すことで,アンケートは完了となります。
※アンケートの回答は統計的に処理され,特定の個人が識別される情報として利用,公表されることはございません。
リンク:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe0EaSmF6nc5j0Q9R01ccAxfazHCehl1OkKeVsS4vihFl4Ohg/viewform?usp=sf_link
【問い合わせ先】
在ムンバイ日本国総領事館・領事班
電話(91-22)2351-7101
メール ryoji@by.mofa.go.jp
=== 転載終わり ==
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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