インド政府、中国から製造拠点シフトの企業に優遇措置か

 

Posted on 26 Jun 2019 21:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh

写真は無関係ですが、タイ・バンコクはスクンビット通りアソーク駅隣接の「Terminal 21」モール地階にオープンしていた「鼎泰豐(ディンタイフォン)」です。※今年4月下旬に撮影。



中国と米国との間で貿易戦争が激化する中、インド政府はしたたかに手を打っている。
中国から撤退してインドに拠点を移そうとする多国籍企業に対する奨励策を強化すると、政府筋に近いとする人物が情報を明かしている。
マレーシアの「The Star」電子版が伝えていた。

India plans to offer incentives to companies moving from China

例えば、ベトナム政府が実施している優遇税率や免税期間の設定などの施策が、水面下では検討されているようだ。

ブルームバーグ(Bloomberg)がインド貿易省関連の文書を確認したところによると、奨励策の対象となりそうなのは、電子機器、耐久消費財、電気自動車、靴や玩具など。
これまで、ベトナムやマレーシアなどの東南アジア新興国では、関税を回避しようと試みる多国籍企業の進出が相次ぎ、これが経済成長に寄与してきた一方で、インドはそうした投資利益を得る機会を逸失してきた。
インド貿易省の試みは、輸入への依存を削減し、輸出を押し上げることを目的とした、より壮大な計画の一部であると考えられ、ニルマラ・シターラーマン(Nirmala Sitharaman)財務大臣の承認が急がれる。

同省は現時点で、本件に関する一切の取材にも応じていない。

また、前述の貿易省が利害関係者に回覧した文書によると、沿岸部に地元のメーカーが進出しやすい手頃な料金の産業ゾーンの建設、またインドに拠点を移転しようとする企業との競争を想定した、政府系調達事業に関わる現地メーカー優遇などの施策を実施する可能性も記載されていた。

こうした計画により、インドの製造ベースの成長が見込め、2020年までに産業全体に占める製造業の割合を25%まで押し上げることを目標としてナレンドラ・モーディー(Narendra Modi)首相が提唱する「メイク・イン・インディア」の実現を支えることになり、かつ最大の貿易相手国である中国との間にある膨大な貿易赤字を補填したい狙いだ。

外国直接投資政策を管理する商工部がセクター別に実施した分析によると、中国企業からの投資は、現在95%が中国からの輸入に頼っているスマートフォンとその部品製造、耐久消費財、電気自動車とその部品、寝具やキッチン用品などの日用品などに流れ込む可能性がある。

さらに、貿易の膠着によって米国企業が撤退するセクターへの、輸出の強化努力も見られる。
インド政府は、じゃがいもなどの農産物加工品、油圧パワーエンジン、エンジン向け過給機など、輸出業者が中国との取引高を増やせると感じる150品目を特定している。

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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